こっちの方が好き



「眠い…。寝る。」

さっきまで雑誌を読んでいた夏野はトロンとした目をして徹のベットに横になる。

「夏野、寝るのはかまわんがちょっと待て、客用の布団用意するから。」
「やだ。」
「やだって…。夏野よ、一応そこは俺のベットなんだが。」
「知ってるよ。だから徹ちゃんが客用布団で寝ればいいだろ。」

いや、それはちょっとおかしくないですか?俺だって出来れば自分のベットで寝たいと思うのですが……。
仕方がないのでベットから動こうとしない夏野の髪をすいてやりながら理由を聞いてみる。

「何で客用布団が嫌なんだ?ちゃんと昼間干したからフワフワだぞ?」
「別に客用布団が嫌な訳じゃないよ。ただ、徹ちゃんのベットの方がいいだけ。」

徹は駄々をこねる夏野の髪をすきながら思う。こんなわがままも可愛いと思ってしまう自分はやっぱり重症なのだろう。
どうあっても夏野はベットを徹にあけ渡すつもりは無いらしい。
髪をすく手を止めて「どうしてベットの方がいいんだ?」と夏野の顔を覗き込んでみれば、次に発せられた夏野の言葉に徹の心臓は一瞬止まりかけた。

「俺、徹ちゃんのベット好きだよ。だって徹ちゃんの匂いがするから。」

夏野はそう言うと布団にくるまってしまった。
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「夏野さん、それは反則でしょう……。」

ヤバイ。鼻血出そうなくらい可愛いすぎる。
まったく、そんな殺し文句どこで覚えてきたんだ?
とりあえず鼻血が出ていない事を確認してから、布団ごと夏野を抱きしめた。



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徹ちゃんはかわいい夏野に毎日振り回されてるといいよ。
そして毎日二人でイチャイチャしてて下さい。
きっと世界は二人のために回っています。多分。
今気づいたのですが、うちの夏野さんはなんだか乙女だな……。





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