もうすぐプールです


武藤徹は最近悩んでいた。
今までこれほど悩んだ事は無かったと言うほど悩んでいた。
衣替えも済んだ6月、雨の日はまだ少し肌寒さを感じるが、晴れた日はジリジリと照りつける日差しが肌を焼き噴出した汗が流れ落ちて夏がそこまで迫っている事を教えてくれる。

そう、もうすぐプール授業がはじまる。

別にプールが嫌いだとか、泳げないとかそういう事ではない。
プールは好きだし、どっちかと言えば泳ぐのも得意だ。プール授業だって楽しくて好きなのだが、問題はそこではない。
では何が問題で俺がこんなにも悩んでいるのかと言うとそれは……夏野だ。
俺と夏野はつい一ヶ月ほど前にお互い想いが通じ、お付き合いする事になり、晴れて恋人同士となった。
付き合ったその日のうちにキスをし、一週間後には体をつなげた。
同じ男同士だと言うのに、夏野の体はとても綺麗で魅力的だった。
女性の様に柔らかい訳でも膨らみがある訳でもない。
線が細く華奢に見えるが程良く筋肉もついており、日に焼ける事を知らない様な白い肌は肌理が細かく吸いつく様な手触りで俺を酷く興奮させた。
スラリと伸びるしなやかな四肢と胸の上にピンク色に色付いた可愛らしい乳首。
そんな、えろい夏野の体を他の人間に見せるなんて耐えられない!!
授業だろうが同性だろうがそんなことは関係ない!夏野のあのえろさは最早凶器だ。夏野の色気にあてられた不埒な輩が血迷いって何かしたらと思うと俺は夜も眠れない。

「と、言うわけでどうしたらいいと思いますか若御院。」

「そうだね、露出が多いのが問題なんだよね?」

「まあ、そうですね。」

「じゃあ、女子用のスクール水着を着ればいいんじゃないかな?男性用よりは露出も少ないし。」

「そうか!そうですよね、ありがとうございました若御院!早速夏野に着せてみます!」

徹は笑顔を輝かせながら静信に礼を言うと嵐のように走り去って行った。

「って、冗談だったんだけどね。…まあいいか。」

激しく悩んでいた徹と偶然道で出会い、悩みを聞いていた静信は走り去って行く徹の後ろ姿を笑顔で見送った後、何事も無かった様に寺へと向かって歩き出した。

その後、徹と夏野がどうなったのかはまた別のお話。




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以前イラストで描いたスク水夏野の元ネタ。
以前チャットで話してた内容がこんな感じで、夏野は乳首見せちゃダメだよって話になり、いかに夏野の乳首を隠すかと話しあい(笑)
出た結論がスク水だったという……。





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