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強いだとか弱いだとか本当はなんなのだろう 


「杏仁、お前は不必要だ。帝国から消えなさい」

……え、え?
なんだよいきなり。帝国の皆と楽しく昼ご飯を食べていたのに突然総帥の処へ呼び出されてその挙句に退去通告?しかも『不必要』?
総帥が、そんなこと言うわけ無いだろ。まさか、『最高傑作』だと言われた俺に『不必要』だなんて言うはずないだろ。

「正直、お前には幻滅させられた。あんな簡単なカリキュラムがこなせないなどと……」

総帥は続ける。だって、何度体力作りしても何回鍛えても駄目なんだ。何故か限界がやってくる。仕方ないだろう、総帥。ねぇおかしいよ総帥。俺を『最高傑作』だって言ってくれたじゃないか、俺をたくさんたくさん可愛がってくれたじゃないか。
ねぇ総帥、俺の他に『サイコウケッサク』ができたんですか?それはどんな奴なんですか、もしかしてあの『キドウユウト』という少年なんですか?不必要だからって捨てることないじゃないですか。
どうしてですか、俺は総帥の事こんなにも好きなのに、総帥は俺の事"いらない"んですか?
俺は「弱い」んですか?そうか、"弱い"んだ。"弱い"から捨てるんだよな。なら、"強く"なれたら俺を必要になりますか?

「杏仁、お前は雷門中へ行け。せいぜい弱小の中で堕ちるがいい」

キドウを消したら俺を必要になるかと思ったけれど。俺は"強い"からそんなことしない。俺が強くなるまで待っててください総帥。強くなったら、貴方に会いに行きます。それまでは、さようなら。


強いだとか弱いだとか本当はなんなのだろう。

(こっそりと帝国のデータを見たら)
(俺がいた事実は何もかも全て消されていた)
(俺はこの時)
(弱いから捨てられた)
(と再認識した)
(そして俺は)
(帝国のなにもかもが)
(嫌いになった)



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