みじかいはなし | ナノ

▼見上げるクラスメイト

見られた、超能力を見られてしまった。

サイダーマンだか2号だか知らないが、迷子の子供を母親の元へ届ける手っ取り早い手段(迷子のガキが泣きじゃくるせいもあり)として空を飛んで見たがまさか同じクラスのよさのさんに見られるとは、この僕が不覚だった。これもあの子供の身を守ったりと、色々超能力使わされて、僅かながらに疲弊感を感じていたせいだ。

よさのさんとは同じクラスであれど殆ど話したことはない。そもそも僕自体が人との接触を避けているため絡むことはないが、きっと彼女は僕に対して認識は多少なりとも持っているはずだ。最近は海藤だったり色々くっついてくる奴も多かったし。

さて、どうしたものか。
食事中や入浴中に彼女の口を塞ぐにはどうしたらいいか考えて見たが、思いつく方法が5つ程度しか見つからない。そもそも学校は生徒、先生の数だけ視線があって迂闊に超能力を使って記憶を抹消したりするわけにも行かない。下校を狙ってもいいが、彼女は馬鹿じゃない、僕を警戒しているはず。
勿論、話したことはないから本当の彼女の実力はわからない。ただテストでは割りと上位に名を連ねているからそこそこなのだろうとは思う。

次の作戦としては夜中、彼女が眠った頃を見計らい、瞬間移動して彼女の記憶を消す。それなら超能力を使っても差し支えないし一番手っ取り早い。
...いや、これは手っ取り早い以前に僕の人間性に疑問を投げかけてくる。関心はないとは言え思春期の女性の部屋、さらには寝込み襲うようなことは倫理的にないだろ。これも却下だ。

こう色々作戦を考えていると、なんだかんだで僕は思う以上に彼女に対して認識があることを感じる。

まぁそれはいいとして、早く作戦を考えなければ。彼女がうっかり口を滑らしてしまう前に。

続く?


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