※DV赤司
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許せないんだ、全て。
愛おしい彼に邪魔するモノは全て無くしたい。
離したくない、離れたくない。
否、手放す訳が無い。
「あ、赤ちん…」
「なんだい、敦」
「いつになったら外出してくれるの??」
「敦は外に出たいのかい??」
「えっ…うん…」
「ここにはお菓子も沢山あるし、嫌いなバスケをしなくてもいいんだよ。それに俺もいる。こんな好条件なのに外に出たいって言うの??」
「みんなに会いたいよ…黒ちん…峰ちん…黄瀬ちん…みどちんにもさっちんにも…みんなに…みんなに会いたいんだよ」
「俺がいるのに??」
「赤ちんが嫌って言う訳じゃないよ…!!」
「じゃあ、いいだろ。なぁ、敦??」
敦の背中にそっと寄り添う。
ヒッ、と小さな悲鳴を上げながらも傷だらけの身体を優しく抱き締めた。
「ぁ…あ、赤ちん…ごめん、ごめんなさいぃ…」
「僕はね、敦だけがいれば他には何も要らないんだよ」
「赤ちん、赤ちんっ…!!」
「だから僕から離れないでくれ…怖いんだよ…ねえ、敦??」
爪を敦の身体に喰い込ませて赤く傷を付けていく。
ゆっくりと一つずつ、丁寧に優しく。
「あっ…痛いよ、痛いッ…赤ちん…!!」
「もっと俺の名前を呼んでよ、他の奴等の名前なんて出さないで」
「うん…ごめんね、赤ちん」
名前を呼ばれる度、その紫色の瞳が一点に僕の事を見詰める度、泣きながら懇願して僕の足元に縋ってくる度、その度に愛おしさを、愛を感じる。
だから離さない、この檻からは2度と出してあげない。
敦のお願いなら何でもしてあげるよ、でも外に出たいとかみんなに会いたいとかそんな事を言うのは許せない。敦は僕だけを見ていればいいんだ。
僕だけを…
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