耳を塞いでも頭に身体に染みてくる“貴方の声”
好きじゃないあんな奴。
僕にはああいう男は酷く苦手だ。
何を考えているか分からない。
考えが分かったとしても行動は失敗。
それでもヘラヘラ笑っている。
ドジだからポジティブなのかネガティブなのか分からない。
それなのに周りからも信頼もされ愛されているHEROの様な存在。
“正義”と“愛”と“人”を守るとっても美味しい役。
嗚呼、僕だったら悪役ですね。
貴方と一緒に世界平和なんて口が裂けても言えない。
そんな正義のHEROが恋に落ちたらしい。
正確に言えば堕ちた。
悪役の僕にだ。
最高傑作笑うしか無い。
それでも「俺は本気で愛してる」なんてとってもユニークな冗談を混ぜてくる。
恋に堕ちる人間違えてるのではないですか、人選ミスですよ。
“愛”も“命の尊さ”も知らない僕に君の教えは願いは届かない。
否、届いてはいけないのだ。
それなのに無駄だと絶対に分かっている筈なのに貴方は僕に触れた。
暖かい貴方のぬくもり。
酷く優しい貴方の声。
貴方を知ってしまった僕は....
嗚呼、とても気が狂いそうだ。
「愛なんて知りたくなかった」
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