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 僕はアデラ様の案内に耳を傾けながら考えた。我が君は何故アデラ様を僕に預けたのだろうか? 大切な我が子を新入りでまだ信頼の置けないだろう僕に。それともあのヴォルデモート卿は自分の子供でも、どうでもいいと思えるような方なのだろうか。

「へー! レギュラスってクィディッチのシーカーやってるの?」
「はい」
「今度ホーキの乗り方教えて!」
「私でよろしければ」

 前を歩いていたアデラ様がふと立ち止まった。

「ねぇレギュラス! レギュラスもおとうさまのお友達なんでしょ?」
「と、友達!?」

 いきなりアデラ様から飛び出した単語に声がひっくり返ってしまった。僕と我が君が友人!? 恐ろしい……。
 おそらくアデラ様の中では我が君の側に居る者=友人というような式があるのかもしれない。

「え、えぇと。……友人では、な」
「友達じゃあ……ないの?」

 悲しそうに、それは悲しそうな眼で見上げられる。

「ウン、ヤッパリ……オトモダチデス」
「ふふ! じゃあおとうさまのお友達ならアデラのお友達だね!」

 なんじゃそりゃ。思わず飛び出しそうになった言葉を気合で堪える。
 二コニコと嬉しそうに笑うアデラ様の表情は次に僕が発する言葉によって変わるだろう。違います、と言ってしまえばアデラ様は悲しむだろう。泣き出してしまうかもしれない。そうです、と答えれば顔の周りにたくさんの花を咲かせて(錯覚)笑うだろう。
 子供は単純だから。一つ一つの言葉にだって左右されてしまう。

「違うの?」

 愛らしく首を傾げる。その表情は悲しげに眉を下げていた。

「……アデラ様は何故」
「ん?」
「アデラ様は何故、私と……と、友達になりたいのですか?」
「優しいから!」
「え?」

優しい? 僕が? 僕らは出会ったばかりで、アデラ様と遊んでいるのは我が君がそうおっしゃったから。


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bkm
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