「いらしゃいませ〜」
「よぉ、藍梨ちゃん。おじさん、きょーも来ちゃったよぉ」
「あ、松平さんおはようございます。上司が上司なら部下も部下ですね。警察官って暇なんですか? ツケ払え」
「まぁた総悟かぁ〜? 安心しなよ、近藤に言っといてやるからぁ。団子三本ちょうだい」
「約束してくださいよ。警察官がツケとかふざけてると思うんです。」
「はいはい、そんなことよりも聞いてよ藍梨ちゃん。栗子にさぁ、変な虫がついちまったみたいなんだよぉ、俺ぁ、どうしたらいいかなぁ」
「そういう愚痴を交えた相談事を朝っぱらから甘味処に持ち込まないでくれます?」
「栗子のやつぁ、優しいから、はっきりと断れねぇってのに、そこにあいつは漬け込みやがってしつこくしつこくしつこく」
「(聞いちゃいねーよ、このおっさん)栗子ちゃんも年頃ですからね、恋愛の一つや二つしてもいい頃でしょうよ」
「栗子にはまだはぇぇえええ!!!!!!!」
「うっせぇな!! ここはおっさんの愚痴を聞く場じゃねぇんだよ!!そういうのは贔屓にしてるキャバクラなりに行って相談しろボケぇぇええ!!!」
「おめぇは栗子の友達だろうーが! 友達ならなんとかできんだろぉ!!」
「こんな子離れできない親父がいて栗子が可哀想だとは思うがな!!」
「あの、藍梨ちゃん……お客さんの前だから、」
「店長は黙っててください! このおっさんは娘心というものがまったく理解できてないんだから! ぶっとばしてでも栗子を助けてあげないと!」