矛盾
端から見たら、喜劇みたいだ。
なんて、最近思う。
私はあの人が大好きだけど、あの人は私を見てなくて。
それどころかあの人には彼女がいて、彼女は彼女で私の友達で。
そんな二人を何にも思わない、ただの友達の仮面を貼り付けて応援したのは私で。
二人はとても幸せそうに笑うけど、私に残ったのは虚しさ。
醜い感情がぐるぐる渦巻いて、苦しい。
自業自得なんだから、そんな感情を抱く資格などないというのに。
「憂」
ああ、呼ばないで。
そんな優しい声で。
「早く来いよ、空も待ってる」
「わかってるよ、あと最後の一問だけなんだからさ」
お願い、先に帰って。
そんな風に待たないでいいから。
でないとあなたの優しさに嵌まって、深く浸かって、醜い感情で心が染まってしまう。
だからお願い、優しくしないで。
それなのに、私の口からはそんな言葉は出てくれない。(感情と行動の矛盾に、腹が立つ。)
―――――――
短い話は久々です。
なんか暗い話になってしまいました。
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