隣の席のエースくん


「あ、もしかしてエースくんが隣?」
「あぁ、1週間よろしくな」
「っしゃ」
「何か言ったか?」
「ううん、何にも。こちらこそよろしく!ところで課題やってきた?」
「当たり前だろ。…まさかやってきてないのか?」
「正解です、見せてくださいエースさま!」
「自分でやんなきゃ意味ないだろ」
「そこを何とか!」
「…ナマエってバカだったか?」
「直球だね。可もなく不可もなく、だよ。少なくともナインよりは上」
「ナインよりって、基準低いな…」
「哀れな目で見ないでよ悲しくなる」
「それより、僕の見せたらクラサメにバレるだろ」
「なんで?」
「可もなく不可もなく、なナマエが問題の9割が正解なんて疑うに決まってるってこと」
「あ、そうか。でもそこは何とかするよ。ほら、デタラメに書けばいいしさ」
「……バレると思うけど」
「大丈夫、バレない」
「その自信はどこから来るんだ」
「勘?それにバレたらバレたで、その時考えるよ」
「はぁ…知らないからな」
「やった!ありがとう!」



「…………」
「ほら、言っただろ」
「やっばい課題三倍に増えた。助けてエースくん…」
「クラサメに手を出すなって言われたからできない」
「手を出すなってクラサメ先生は私の彼氏かなんかですか」
「先生だろ。それクラサメの前で言ったら課題増やされるぞ」
「クラサメ先生もクラサメ先生だ。なんであんなに鋭いんだ、私が何したって言うんだ」
「僕の課題写したからだろ」
「あぁぁ、せっかく隣になったんだから色々助けてもらえると思ったのに…!」
「ああ、あとクラサメが今後一切ナマエのお願いを聞くなってさ」
「くっ…クラサメ先生は私のなんだっていうんだ!」
「先生だろ」
   

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