「ってことでさ、とりあえず記憶喪失になって」
「ナミー、数学のノート見せてくれ」
「無視すんな!」
「るっせェ、黙れ」
「やーだー!記憶喪失になってー!」
「意味わかんねェ!」
「だってさ!少女漫画の定番じゃない?恋人が記憶喪失になって、自分のこと忘れちゃってるのに健気に付き添ってさ!あなたがあたしを忘れても、二人が愛し合った事実は消えないわ。もう一度、新しい想い出を二人で作りましょ?みたいなァー!!」
「うるせェ。つーかまず俺はお前の恋人じゃねェし、愛し合った覚えもねェ」
「うん、だからあたしはちょっと少女漫画を弄って、好きな人が記憶喪失なのにつけ込んで自分のモノにしちゃおう!作戦」
「馬鹿じゃねェのか。んな簡単に記憶喪失になれる訳ねェだろ」
「なれるよ!鈍器でガツーン!と」
「一歩間違えば殺人だろうが」
「死んじゃったときは死んじゃったときで、遺体はあたしが隅々まで味わった上で剥製にしてガラスケースにでも入れて飾ることにする」
「やめろ。ぜってェやめろ。つーかどこのホラー漫画だ」
「ホラーじゃないよ。だってオバケじゃないじゃん。敢えて言うならヤンデレかな?うん」
「ヤン‥?‥なんでもいいからよせよ」
「じゃあせめてデートしたい」
「‥は?」
「水族館行きたい。あ、遊園地もいい‥んー、やっぱホテル街にしよっか」
「行かねェからな」
「なんで!?じゃあメイド喫茶ならどう!?」
「誰が行くかァ!!」
「いいじゃない、デートくらい」
「さすがナミ!良いこと言うねっ!」
「いつから居たんだよ」
「さっきから居たわよ。大体ノート見せろって言ったのアンタでしょ」
「あーそうだったな。サンキュ」
「1ページ200円ね」
「200円!?高ェだろ普通に!」
「じゃあ要らないの?明日小テストだって先生言ってたのにねェ」
「ねェ」
「なんでお前まで頷くんだよ」
「べっつにー」
「ノート要るの?要らないの?」
「‥要ります」
「1ページ200円ねー」
「‥あ」
「どしたの?ゾロ?」
「アンタまさか文無しなんじゃ‥?」
「‥財布忘れた」
「ノート返しなさい」
「‥っ」
「ゾロ!あたしが貸してあげるよ」
「てめェノートなんざ書いてねェだろ」
「書いてないよ。だからお金の方貸してあげる」
「‥いいのか?」
「いいよ。ゾロのためだもん」
「な、‥お前何企んでる?」
「そんな疑わないでよ!あたしは純粋に‥」
「わかった!わかったからンな顔すんな!」
「ホン、ト‥?」
「あァ‥だから、その、‥ありがとな」
「んふ‥んふふふ」
「‥?」
「じゃあゾロ!デートね!デート!」
「はあ!?」
「お金はゾロの体で返してもらうから」
「なっ!?」
「ナミ!ゾロとデートしてくる!」
「はいはーい、ちゃんとお金は払いなさいよ」
「当たり前じゃん!」
「おい!お前等、まさか」
「ごめんねーゾロ」
「ゾロ!まずは遊園地行こ!それから観覧車とか乗っちゃってテッペンでチューとかしちゃお!」
「しねェし行かねェ!」
「それから夜のホテル街‥やっぱ夜の公園にしよ。公園でベンチか茂みに座ってにゃんにゃんしよ!もう×××とか××××とかヤりたい放題だよ」
「ヤらねェ!ぜってェヤんねェ!つーかエロ漫画の読みすぎだ!」
「違うー!エロ漫画より断然!AV!ちなみに実写より、アニメよね」
「てめェそれでも女かァ!?」
「AVも漫画もあたしのバイブルよ!さ、ってことでデートへ行こうか」
「な、ちょっ、てめっ!」
「いってらっしゃーい」
妄想、大好物です。
(恋の駆け引きをシュミレート)
「ゾロ!次アレ乗りたい」
「しゃーねェなァ(遊園地ではしゃぐなんて普通に可愛いとこもあんじゃねェか)」
「あ、ね!ゾロ」
「んあ?」
「手!繋ぎたい!」
「ば、馬鹿言ってんじゃ」
「いいから!よし!行こう」
「(なんだよ!今のドキッてのはよォ!)」
「(ぐふふ、次のお化け屋敷で‥うふふふ)」