Chapter 3-10
ルーナ「アルムたち、遅いなー…ひょっとして、2人に何かあったのかな…?」
アンナ「大丈夫だよ。あれからなーんにも聞こえない。少なくとも襲われちゃいないね、きっと」

アルムたちの帰りが遅いので不安に駆られるルーナに、アンナは優しく言った。この時間ずっと話していたこともあるのか、ルーナの不安はあっさり消えた。

ルーナ「そうだよね。待ってたら戻ってくるよね、きっと」

シェルト(彼女たちは…もう仲間を信じるということを覚えたんですか…)

肉体的、戦闘的な面だけでなく、精神面でも生徒たちの成長速度に感心するシェルトであった。


エド「あっ、向こうから誰か来た!」
ノイル「ほんとだ、いっぱいいるよ!」
ルージャ「いっぱいって…さっき走ってった先生たちでしょ?」

森の奥から、4人の先生と5人の生徒が戻ってきた。話を聞くと、アーロンは目的地まで到達する「道のり」が危険であることを言ったようで、訓練そのものはさして危険なものではなかったらしい。シェルトは他の3人に、「だから言ったじゃありませんか。もっとお互いを信じ合わなければ、この仕事は成立しませんよ」と少し厳しい言葉をかけた。セレイスたち3人は、どこかばつの悪そうに笑った。


ルーナ「ねーねーレイシア、何やったの?教えて欲しいな」
レイシア「…あれは本当にすごかったわ。アーロン先生が、色々と技を披露してくれたのよ」
アンナ「へえ、それはいい経験したね。どう、今後に生かせそうかい?」
ロエン「うん、とても勉強になったよ!よーし、頑張るぞー!」


その時、反対からアルムたちが現れた。そして、アリュードはアーロンの所まで歩いていき、深々と頭を下げた。

アリュード「今まで、訓練を抜け出して本当にすいません。明日から頑張っていきます、じゃ…もう遅いですか…?」
アーロン「…絵を描くのは悪いことではない。私も小さい頃、よく絵を描いて遊んだものだ。もちろん訓練に出てくるのは最低条件だが…リアロス、絵をやめてはいけない。お前のその才能は、後々で必ず良い結果に結びつく。いいな」
アリュード「はっ…はい!」


アーロンはその後、「それでは今日はこれで解散だ!明日に備えて、しっかり休養をとっておけ!」と、今日の訓練の終わりを告げた。
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