Chapter 37-33
並べられた無数の料理。それを食い尽くさんとばかりに、キースやディル、セリスやエドたちが猛スピードで皿を平らげていく。

クラリス「まったく、子供みたいにがっつかないでよ…」
レイシア「そうよ、セリス!私たちにも残しといてよね!」

2人がそう呆れていると、またお手伝いが現れ、新たな料理を持ってくる。そして、空になった皿を下げていく。その様子を見ていたキースは、ラルドを手招きした。

ラルド「なんだ、騒々しい奴だな」
キース「あのな、ラルド。………の………………さ……………ぜ」
ラルド「…お前らしからぬ名案だな。賛成だ、行こう」

2人は連れ立って、広間から出て行った。

アレク「?」

今までずっと料理を掻っ込んでいたキースが、何を思ったのかと不思議そうなアレク。が、その謎はすぐに解ける。2人が、裏に待機していたお手伝いを全員連れて来たからだ。

キース「ほらほら、みんな早く来いよ!」
*「そ…そう仰られましても…」
ラルド「気にするな。お前たちもみんな、影の功労者なんだからな」
*「…ラルド様、本当によろしいのでしょうか…?」
ラルド「ああ。ただし1つだけ条件がある。私やキースに対する敬語は禁止」
*「………はい!」

お手伝いたちも加わって、パーティーはいよいよ最高潮の盛り上がりを見せた。普段は冷静沈着なラルドやキット、それにユリス、リズなども、この時ばかりは喜び楽しみを素直に感じる1人の人間だった。

ラルド「リズ、悪いがそこの皿を取ってくれるか?」
リズ「はい、これですか?」
ラルド「そうそう、それだ。ほら、少しお前も食ってみろ。美味いぞ?」
リズ「あっ、いただきます…ほんと、おいしい…」
ラルド「さすがだな、みんな。さあ、キースやセリスたちに食い尽くされる前に私たちも存分に堪能しよう」
リズ「はい!」

キット「ユリス、新しい料理が来ましたよ!」
ユリス「ほんとだ。食べてみるね………うん、すごくおいしい!キットも食べるといいわ」
キット「頂きましょう………確かに美味ですね。こうしてあなたと普通に食事をするのは何年ぶりでしょうね…」
ユリス「そうね、あの頃は本当にありがとう。キットのおかげでわたし、今まで生きてこられた…」
キット「…ええ。これからも、よろしくお願いしますね」
ユリス「…うん!」


楽しいパーティーは、まだまだ続く。
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