Chapter 3-4
少し時間が戻って、アルムたち4人がまだモンスターの群れと戦い始める前。
セリス「…せんせー、一体どこまで歩くんだよ?そろそろ教えてくれても…」
そろそろ訓練開始の時間なのに、まだ森の奥へと歩いていくメリー。それにたまらず、セリスが先の一言を漏らした。レイシアは「ちゃんと敬語で話しなさいよバカ…」と呆れ気味だったが、メリーはそんなセリスの言葉遣いに気にすることなく、さらりと返した。
メリー「心配いらないわ、まだ目的地に着いてないだけ。でも、あと少しで着くわ」
セリス「だと良いけどよ…」
ロエン「ま、まあ、歩くのも特訓の1つだと思えば楽なんじゃない?」
アンナ「まあね、でもあたいはもっと体を動かしたくてしょうがないよ」
数分後、ようやくメリーが足を止めた。
メリー「着いたわ、ここよ」
セリス「やっとだぜ…って、何だここ?」
レイシア「ここだけ少し開けてるわね…」
ロエン「一体ここで何をするんですか?」
メリー「この場所で…あなたたちには、モンスターと戦ってもらうわ」
この言葉で、男性陣と女性陣の反応がはっきり分かれた。セリスとロエンは「マジで?」というような表情なのに対し、レイシアとアンナは自分の力を試したくて仕方ない様子だった。そんな女性陣を見て、これじゃいけないと、セリスたち2人も奮起した。特にロエンは、レイシアに対する対抗意識で更にやる気になっていた。
メリー「私が口笛を吹いたら、モンスターが出て来るわ。準備はいいかしら?」
緊張の面持ちで、4人は頷く。メリーは息を吸い込み、短く口笛を吹いた。数秒の内に木々がざわめき、モンスターが数匹現れる。彼らの体術学でも、いよいよモンスターとの実戦が始まった。