Chapter 3-3
揺れる木々の奥から、モンスターが現れ始めた。最初にタアが先のゼクトルのように、離れたモンスターに向かって剣を振るが、何の変化もなかった。

ゼクトル「お前たちにはまだあの技は出来ねえよ…(つーか、俺もあれだけ苦労して出来るようになったのに1回や2回で出来るようになられてたまるかっつーんだ)」
タア「うっ…うっせぇな!素振りして確かめただけだっての!」

その後はすんなりと諦めたのか、タアは直接モンスターを斬りつけていった。

アルムたちも加わって、4人で四方八方から際限なく現れるモンスター相手に攻撃を繰り返す。ところが徐々にモンスターに取り囲まれ、ついには開けた空間の中央に追い詰められてしまった。

ゼクトル「あーあ、実際だったら死んでるぜ。もっと周りに注意しろ!」

ゼクトルはそう言いながら、離れた場所から剣を振って4人を取り囲むモンスターたちを次々と倒していく。やがて周りにモンスターがいなくなったと思ったら、またその血の匂いに誘われて新たなモンスターが森の奥からやって来る。


タア「くそっ、これじゃキリがねぇぞ!」
ユリス「4人分かれましょう!動き回って、モンスターを撹乱するの!」
リズ「………(コクリ)」
アルム「…分かった!」

4人は一斉に散らばった。するとモンスターたちもそれぞれを狙うので、大きく4つに散らばった。

アルム「そりゃあっ!!」
アルムは前方から迫り来る3匹のモンスターを、一度に切り裂いた。

アルム「よし、これならいける!」
ゼクトル「その調子だ、バンバン倒していけ!」

アルムだけでなく、他の3人も自らの持つ特技と機動力を駆使して、モンスターたちを次々と退けていった。やがて、ゼクトルが懐から取り出した聖水を振り撒いて、訓練の終了を知らせた。

ゼクトル「よし、終わりだ!お疲れさん、ゆっくりしてくれてて構わねえぜ」
タア「ちょっと…待てよ」
ゼクトル「…何だ?って言っても、聞きたいことは分かってるぜ。これだろ?」

ゼクトルは軽く剣を振った。すると、前方の木の幹がスパンと切れ、木は倒れた。

ゼクトル「今は教えられねえ。けど、そのうち絶対教えてやるよ」

ゼクトルが強く「絶対」と言ったので、その場はタアも退いたようだった。
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