Chapter 37-11
ラルド「…なるほど。お前の眼を見るに、どうやら私たちの出る幕ではないようだ。アルファはお前たちに任せていいんだな?」
アルム「…はい。必ず、ぼくたちで倒します」
ラルド「分かった。では私たちは大群の殲滅に全力を尽くそう」
アルム「お願いします」

ラルドはただ、アルファの元へと急ぐアルムたちを見ていた。「本当にいいのか?」と、そばにいたキースは心配そうに聞く。が、ラルドは振り向いて友の肩を一度だけ叩き、こう言った。

ラルド「何の心配もない。彼ら12人は…私たち8人に劣らない力を身につけている。短い付き合いのお前は知らないかもしれないが…な」
キース「…そうか。なら俺は何も言わないでおくか。行こうぜ!」
ラルド「ああ。アルムたちが戻ってくる前に終わらせるぞ!」

2人は前線で戦うディルたちの下へと急いだ。敵の数は減るどころか増えていたが、ラルドには今ならどんな難題でもこなせそうな気がした。

ラルド「アルム…勝つんだぞ!」

◇◇◇

アルム「………!」

アルムたちは一心に走っていた。その隣には、オメガのレーザーによって空間に閉じ込められていたセリスたちがいる。「やってみるもんだ。俺たちも死に物狂いだった」とは、セリスの言葉。話を聞くに、彼ら6人も寸分早くアルムたちと同じことをしたらしい。アルムが剣を掲げた時の空間の歪みは、セリスたちが脱出してきたことによるものだったのだ。

アンナ「なんにせよ、これで12人元通りだ!あとはアルファのやつを叩きのめすだけだね!」
エド「絶対負けられない…おれ死ぬ気で頑張るぞ!」

いよいよオメガの姿が大きくなってきた。ラルドたちはオメガを知らない。きっとアルムがオメガの姿を小さく認めた時、ラルドたちにはモンスター群の一部にしか映らなかったのだろう。

だが、アルファはそこにいる。

アルム「…姿を現せ、道化師…!」

アルムの声は怒気を孕んでいた。その声を聞いてか、オメガの隣にアルファが現れた。これには、アルム以外の全員が驚いた。

レイシア「アルファ…!?」
タア「あいつ、あの化け物とくっついたんじゃねぇのかよ…!?」
アルム「忘れていた。あいつが、暗殺組織のトップだってことに…。組織のやり方は人を欺くことだ、それに気付かなかった…」

依然として赤い眼のアルムは、アルファを見たままそう呟くように言った。
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