Chapter 37-7
アルムの様子が変わったことに、すぐさま皆が気づいた。
ルージャ(アルムの目が…変わった?)
ユリス(性格まで変わってるわね…)
アリュード(こんなアルム、初めて見る…!)
リズ(やっぱり、何かを秘めていたのね…)
タア(ちっ、最初からそうしやがれってんだ)
もちろん、このことに気づいたのは彼らだけではなかった。
アルファ「…何を根拠に自信づいたのかは知らないけれど、目を赤くするだけじゃ勝てないのよ?」
アルファはまた何か余興でも披露したのかと言うふうな口調で言った。しかし、直後、アルムはその余裕の声を変えさせる。
アルム「なら…こっちからいく」
ザシュッ!!!
アルムは疾風のように斬り抜けた。オメガが動き出す前に、その左の翼を根元から切り落としていた。
アルファ「…!?」
アルファ自身にもその痛みは伝わった。彼女は今、この心無き生物と同化しているからだ。今までずっと余裕を含んでいたその声が、初めて喉に詰まった。
アルファ「…まさか」
やっと口をついて出た言葉はそれだった。その間に、自身の力だろう、オメガの翼は再生しつつある。
アルム「…斬れる!」
打ち倒すのは不可能と思われたオメガでさえも、決して攻撃が通じなくはない。そのことを、アルムは確信した。すると、仲間たちもアルムに同調し奮起した。
アリュード「僕たちもやろう!あいつは無敵なんかじゃない!」
ユリス「そうね…やってやれないこともないんだから!」
ルージャ「ボクも…がんばるよ!」
リズ「言うまでもないわ!」
タア「このまま消されるなんざまっぴらごめんだ!」
諦めかけていた5人の顔に、再び色が戻った。
アルム「みんな…行こう!アルファを倒すんだ!」
アルファ「ふざけないで…全員消えてしまいなさい!」
アルファはそう叫び、レーザーを撃ちにかかった。無差別に乱射されるそれは、非常に避けるのが難しい。それでも、今の6人には、過去に受けた訓練より容易く感じられた。
アルファ「どうして…(急に何が起こったって言うの…!?)」
強力無比な光線が1人を捉えることすらかなわないことに、アルファは焦り始めていた。そこからくるオメガの動きの鈍りを、6人は見逃さなかった。