Chapter 36-1
アルムたち4人の姿を認めた瞬間、広い部屋がどっと沸いた。先にここに来ていた皆が、無事の合流を喜んだ。

セリス「よく無事だったな!聞くまでもないだろうけど…やったんだよな?」
タア「…聞くまでもねぇんなら、なんでいちいち聞いたりすんだよ」
リズ「それはあなた、分かっていてもそれを聞いた方が嬉しいじゃない」

17歳、メンバーの最年長トリオという珍しい組み合わせが盛り上がる一方で、アルムはルーナ、レイシアと話をしていた。

ルーナ「心配したよー、何か遅かったみたいだから」
アルム「ごめんねルーナ、すごい戦いだったから」
レイシア「それはさぞかし辛い戦いだったんでしょうね…無事で良かったわ!」
アルム「うん、でね、もっと嬉しいことがあるんだ!」

えっ?と聞く2人に、アルムはごにょごにょと耳打ちした。その数秒間は、2人にとってどのくらいの時間だったのか、アルムの耳打ちが終わってしばらくしてから、2人は声をあげた。

ルーナ・レイシア「「………えぇーっ!!?」」

その声に反応して、他の皆もなんだなんだと集まってくる。全員が集まったところで、アルムが嬉しいニュースを伝えた。


―――ディルさんが、戻ってきたと。


それを知った8人は、またしても沸いた。ユリスとリズが抱き合って喜んでいれば、セリスとレイシアは目配せをして笑い合っている。アルムはこの勢いに乗じてアンナたちと一緒に、ディルがキースと共に再び時を刻み始めたルプガナの街に向かったことを伝えた。

アンナ「これで、あとはアルファを叩きのめすだけ。みんなでこてんぱんにやっつけてやろうじゃないか!」

アンナの言葉に、皆おぉーっ!!と拳を上げる。と、セリスが思い出したようにアルムに言った。

セリス「そうだ。アルム、天界王が探してたぜ、お前のこと。城の一番奥で待ってるから、1人で来てくれだってよ」
アルム「天界王が?何だろ、ぼく何かしたかなぁ?」
セリス「まあ説教ってわけじゃねーだろ。とにかく行って来いよ、向こうも結構待ってるみたいだったしな」
アルム「うん、分かった行ってくる。またあとでね」
セリス「ああ、行って来い」

アルムはセリスと別れると、1人城の奥へと進み始めた。大きな期待と小さな不安を抱きながら。
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