Chapter 2-15
アルム「この実習の意味って…」
ルーナ「普段やってることを試すためなんじゃないの…?」

あれこれ考え始めたアルムとルーナだったが、レイシアがその答えを見つけるのにさほど時間はかからなかった。

レイシア「まさか…先生たちはあの戦いも訓練って考えて…!?」
アルム「えぇっ!?ちょっと待ってよ!あのクラーゴンは偶然あそこにいたんじゃないの!?」
レイシア「クラーゴンはそうかも知れないわ…でもそれをどう考えるかは先生たち次第じゃない!」
ルーナ「やっぱり…みんな訓練なんだ…」

3人は確信した。この実習が、自分たちが思った以上に危険なものだということを。

アルム「先生を…探そう!こんな訓練やってたら、みんなやられちゃうよ!」
???「誰がやられるって?」
アルム「タア!!」

背後の声に振り向いたアルムは、大剣を担いでこちらを見下ろすタアに驚愕した。タアだけでなく、その後ろにはユリスとリズもいた。

タア「黙って聞いてりゃ…オレがあんなノロマにやられると思ってんのか?」
レイシア「クラーゴンを…倒したの?」
ユリス「一応ね。でも、わたしたちも危なかったわ」
タア「はぁ?全然余裕だったじゃねぇかよ」

横目にユリスを睨むタアに、「…それでもいいけど」と小さく息をつくユリス。その時、目のいいレイシアはまたあるものを見つけた。

レイシア「アリュードだわ…」

そう言って、レイシアは駆け出した。慌てて後を追うアルムとルーナをよそに、タアたち3人は椅子に腰掛けた。

◇◇◇

アルム「アリュード…何してるの?」
アリュード「!!!なっ、何だよ!」
レイシア「絵を…描いてたのね?」

アリュードの描いている絵は、森の風景画だった。

アリュード「み、見るなよっ!」
ルーナ「…うまーい!すっごく上手なんだね!」
アリュード「えっ…?」
アルム「すごいよ、本物そっくり!」
レイシア「本当、あなたこんな特技があったのね!」
アリュード「………ありがとう…」

やや照れながら、うつむくアリュード。彼の側面が1つ見つかった、アルムたちにとって貴重な収穫だった。


〜続く〜
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