Chapter 34-12
姉さんたちと合流してからしばらくした後、僕は計画を聞かされた。「腐ってしまった世界を、生まれ変わらせる」。姉さんは初めそう言ってた。だから、施設でやってた研究も、モンスターを退治するために新しく何かを作ってるんだと思ったし、ベータたちがラダトームを襲ったのも国の仕組みを正して世界を良い方向に変えていくためなんだと思った。姉さんたちは、僕がそう考えて納得するってことを見抜いてたんだ。だから…あんな回りくどい方法で、僕に世界を変えていくさまを見せようとしたんだ。
実際、ラダトームが奪還されたとき、姉さんたちはすごく落ち着いてた。それは姉さんたちが冷静だったからじゃなくて、ラダトームが奪い返されたことが別にどうでもいいことだったからなんだ。
つい最近、僕は姉さんのやろうとしてることが、僕の考えとは違ったことだって知って、急に怖くなった。姉さんが世界を壊そうとしてるだなんて、信じたくなかった。自分の姉が、そんなとんでもないことをしようとしてるって、認めたくなかった。だから僕は姉さんに、「姉さんがやろうとしてることは間違ってる」って言った。ついさっき、言ったんだ。
…そうしたら姉さんは何も言わずに、翼竜を差し向けてきた。僕は逃げてきたんだけど…竜が飛ぶ速さの方が全然速くて…このありさまだった。
結局、姉さんにとって僕はただの駒だったんだ。使えなくなった駒はいらない…。僕はずっと姉さんとの間に絆があるって信じ続けてきたけど…そんなものは、初めからどこにもなかったんだ。
今になって、僕は後悔してる。みんなを裏切ってきたこともそうだし、姉さんの目的も知らずに協力してたことだって。
これまで、僕はひどいことをしてきたから、謝って許してもらおうなんてことは思ってない。ただ…お願いしたいんだ。君たちみんなで、姉さんを止めてって。今更何を言うのかって思うだろうけど、今の僕の願いはそれだけなんだ。
最後になったけど…僕が行った教習所がルプガナ教習所で本当に良かった。もし違ってたら、僕はこんなふうに後悔することもなかっただろうし、最後の最後まで姉さんにくっついてたロボットだっただろうと思うんだ。みんな、本当に…ありがとう―――。