Chapter 34-3
ユリス「…セリス、パスでいいの?」
セリス「待て!まだ9が残ってる!」
ルーナ「ちぇっ…なーんだ…」
セリス「露骨に舌打ちしないでくれよ…」
リズ「…ふふっ」
普段のメンバーにユリスとリズも加わり、遊びのバリエーションも広がる。それからしばらくの間、6人はトランプに興じていたが、キースが帰還したことでお開きとなった。
キース「お、みんな悪いな、待たせちまって…ちょっとしなくちゃならなかったことがあってな」
全員が1つの部屋に集まってから、キースはそう口を開いた。
アルム「…一体何してたんですか?」
キース「んー…まあ、あれだ。俺たちがやったにはそうなんだけど、ちょっとガンマを弔ってやろうかな、ってな」
タア「…何言ってんだ?あいつは敵じゃねぇか。死んだ敵の葬式あげるなんて、聞いたこともねぇ」
キース「だろうな…みんな、最期のあいつの言葉を聞いてなかったからな」
キースは腕を組んでふう、と一息ついた後、真剣な表情で全員に向かって言った。
キース「あいつは…俺にこう言った。『なんとかしてアルファのやつを止めてくれ』ってな」
レイシア「アルファを…止めてくれ…?」
キース「ああ。聞いて俺も驚いたんだけど、なんでもアルファのやろうとしてることは本人以外まともに知らないらしい…」
ここから、キースは最後のガンマとの会話を自分なりに要約、言い回ししながら語った。そして全てを語り終えた後、最後に自身の意見としてこう付け加えた。
キース「きっとベータもガンマも、アルファを心底信頼してたんだろう。でなきゃ、何をしでかすか分からないような奴と一緒にはいられないしな。多分…あの研究施設を見る限り、少なくともガンマたちは、どんなモンスターより強いのを生み出すことでモンスターたちを統率して、魔物の動きを鈍らせる、ぐらいの目的で連んでたんだと思うんだよ。けど…アルファのやろうとしてることはさらに上を行きやがった…」
14人の思いは同じだった。キースもそれを確認すると、同じく頷いた。
キース「あいつは…ガンマは、死ぬ間際は確かに俺たちと同じ思いだった。何としても…アルファを止めるんだ。この世界を消すなんてこと、あいつ1人以外誰も望んじゃいない…」
アルム「…だけど、アルファはどこにいるんですか?あそこにはいませんでしたよ…?」
キース「そのことについては、もう目星がついてる」
一同はえっ?といった様子でキースの方を見た。