Chapter 33-18
ガンマ「…いくら試作品とはいえこんな簡単に…!…だけど」
元に戻って倒れているモンスターたちを見て、ガンマはわずかに驚いていた。が、最後には怪しげな笑みを浮かべていた。
ガンマ「…「あれ」については何の心配もない…あれは最高傑作なんだ。誰にも止められやしない…!」
音がしなくなった地下の研究室で、ただ響いたガンマの声。キースはそれに対し、わずかに憐れみを含んだ声色で言った。
キース「…お前は残念な奴だ。強力な能力を持っていたのに、自分を磨くことを忘れちまったんだからな」
ガンマ「…何が言いたい?」
キース「…いや、逆か。自分自身にはデルタみたいに強い戦闘力がないから、モンスターを引き寄せるっていうその力に頼らざるを得なかったってことか…」
ガンマは何も言わない。キースの言葉が的を射ているかどうかもこちらは分からないような反応だ。
キース「だけどそれは言い訳でしかない。お前がさっきちらっと言った、「あれ」にどれほど自信があるかは知らない。けど、俺たちは乗り越えてみせる。自分を見失った奴の自信作なんかに、負けてたまるかってんだ!」
強い口調で言い放つ。が、ガンマはあくまで冷静だった。
ガンマ「…お前らにオレの何が分かる…」
キース「………?」
ガンマ「オレ自身が弱いと思ってるんなら、それはおめでたい話だな…全員オレの手でケリをつけてやるよ!」
ガンマはそう言ったそばから、すっと姿を消した。
アルム「!!!」
アリュード「消えた…!?」
どこにいるかも分からなくなった。とその時、ガンマの声だけが聞こえた。
ガンマ「…死ね!イオラ!!」
ドカァァァァァン!!
アルムたちのすぐ近くで、決して小さくはない爆発が起こる。わずかな破片が宙を舞い、視界を奪った。アルムはその間に何か頭に鈍痛を感じた。
ガンマ「切り裂け、バギクロス!!」
前が見えないまま、巨大な竜巻が皆を襲う。あちこちで悲鳴があがった。
ガンマ「燃え尽きろ、ベギラマ!!」
ガンマは攻撃の手を休めない。次に彼らに襲いかかったのは、高熱の猛火だった。
セリス「うあああっ…!」
ルーナ「きゃああっ!!」
アンナ「ううっ…!!」
叫びや呻きは止まらない。ガンマはとどめとばかりに、巨大な火球を用意していた。
ガンマ「くたばれ…メラゾーマ!!」
特大の火炎が、15人に容赦なく襲いかかる。もはや直撃は避けられなかった―――。