Chapter 33-17
タア「…何だ、あのクソ気味悪ぃのは!」
アンナ「見るのも嫌なくらい気持ち悪いね…!」
彼らは新たに現れた魔物かどうかも分からない生物に嫌悪感を抱いた。しかし、一部の者は何かに気づいていた。
セイファー「ちょっと待って…あれ、ドラゴンの翼に似てるよね?」
レイシア「それに、あの長い槍はアークデーモンが持ってるものと同じだわ…」
アルム「まさか…あれは、モンスターたちが混ざり合ってできたもの…?」
アルムはもう一度その生物に目を向けた。するとガンマが、勝ち誇ったように笑い出した。
ガンマ「どうだ?これが答えさ。オレは考えた、より強い魔物を作るには、強い魔物同士を結びつけたらいいってね。こいつは試作品第1号だ。お前たちの言った通り、ドラゴン、アークデーモン、後はシルバーデビルと動く石像を混ぜてある」
それであの、異形の生命体というわけか。キースは努めて冷静に、その様子を見ていた。
ガンマ「弱点はカバーできてるし、強いところはますます強くなってる」
言われてみると、確かにそうだった。ドラゴンの飛行能力とブレス、そして防御力。アークデーモンの攻撃力と武器のリーチの長さ。シルバーデビルの素早さ。そして動く石像の攻撃力と防御力。攻防に関しては、個々のそれより高いことは否めない。
しかし、15人のほとんどはそんなことお構いなしに、その魔物に攻め入った。数ではこちらに分がある。皆でかかれば怖くない。
だが、その魔物は突如飛び上がり、空中から炎を吐き出した。その炎は、魔物に群がりかけた面々を完全に捉えていた。
しかし、炎は皆を飲み込む前に消え去った。後には水蒸気が残り、一瞬霧が立ち込めた。そう、ルージャやノイルたちが一斉にヒャダルコを唱えたのだ。
そして…次の瞬間、霧の中から多くの影が見えたかと思いきや、それらは全て魔物へと飛びかかった。大小様々な、あまり気持ちのよくない音が響いた後には、翼がもがれ、体がちぎれ、顔がひしゃげた魔物の姿があった。
ガンマ「なんだと…!?」
レイズ「残念だけど、僕たちの人数を甘く見たらダメだよ。これでも、みんな強さに自信はあるんだからね…!」
最後にレイズが、光の矢を撃ち込んだ。すると魔物全体を光が包み込み、その光が止んだ後には既に絶命している4匹のモンスターたちが倒れていた。