Chapter 33-14
アルム「ガンマ…!」
エド「他のやつらはどこだ!」
ガンマ「他のやつら、ね…。残念だけど、ここにはもう他に誰もいないよ。もちろん、一番探しているあの少年も、ね…」

ガンマは余裕の表情で、15人をぐるりと見回した。確かに彼の言う通り、この場所にはもう他に誰もいないようだ。

アンナ「アルファやロエンたちは、どこに行ったんだい!」
ルージャ「そうだ!何をしてるんだ!」
ガンマ「お前たち、みんな学習能力ゼロだな。そういう質問に答えると思うわけ?」
アリュード「くっ…卑怯だぞ!」
ガンマ「なんとでも。計画を知られることに比べれば、そんな悪口くらいなんともないね」

ガンマは依然として、口を割る様子はない。が、ここから以前にはなかった展開が見られた。

ガンマ「…でもまあ、よくここまで来たよ。本当にしつこい奴らだけど、誉めてやるよ」
レイシア「誉めるのなら、あなたがたった1人で私たち15人を相手にする意図を教えてほしいもんだわ!」
ノイル「そうだよ!いくらおまえが強くても、こっちには15人もいるんだ!」
ガンマ「…まあ、そのくらいならいいか。差し支えない範囲で話してやるよ」

皆、はっとした様子でガンマを見た。それを気にかけることもなく、ガンマは話を始めた。


ガンマ「そうだな…。あれは、ちょうどお前らのルプガナ教習所がスタートしてすぐだったかなぁ?
オレは北の森のモンスターたちを巨大化させた。その強さを調べるために」
ルーナ「…それって、街を襲ってきたドラキーマや腐った死体も…!?」
ガンマ「その通り。オレはそいつらの強さを見て思った。巨大化しても、それに見合うほどの対価はないってね。
そのしばらく後に、今度は世界中でモンスターの群れ集まりやすい場所に仕掛けをして、モンスターを凶暴化させた。だけどこれも、オレたちが期待してたほどの効果はなかった」

淡々と語るガンマ。皆は1年以上も前の謎が次々と解けていくことに逆に不安を抱いた。

セリス「…まるで、お前がモンスターを束ねてるみたいな言い方じゃねーか?」
ガンマ「それも50点ぐらいかな。オレたちは伊達に世界的な組織の幹部をやってるわけじゃない。幹部ほどになると、みんな何かしらの「力」を持っていてね。2人については時効だから言おうか。
ベータは姿形、そっくり他人になりすます力を持っていた。モシャスと違って、その記憶までコピーするし、凍てつく波動やらで解けたりもしない。
デルタは純粋に戦闘能力が高かった。それでも、勝てなかったみたいだけど、あんたの仲間にね」

ガンマはキースを指差して、やや目つきを鋭くした。対するキースは表情を一切変えることなく、「そんなこともあったな」と呟いた。

ガンマ「それから、さっきの話を聞いてたんならオレの力はもう分かっただろう?」
レイズ「…おまえの力ってのは…!」
ユリス「モンスターを自由自在に操る能力なのね…!」

それを聞いた途端、ガンマは口元をくっと上げた。それから、

ガンマ「…ご名答」

嘲るような口調で、一言そう発した。
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