Chapter 31-12
ロエン「本気で来いよ…僕は本気で行くからな!」

再びロエンが動く。懐に入り込み、突きと蹴りの弾幕を浴びせてくる。

ロエン「はぁぁっ!!」
アルム「ぐっ…くっ!」

ロエンが繰り出す爆裂拳に、アルムは防戦一方である。それほど、ロエンはスピードのある攻撃を繰り出してきている。何発かがアルムの顔や腹にも入る。しかし、アルムは倒れない。それが分かったからか、ロエンは手を止めて後ろに退がった。その瞬間を狙い、アルムは剣を振った。

ロエン「…っ!」

ロエンの足から、わずかに血が流れる。どうやら剣先が少し掠ったらしい。

もう迷っている場合ではなくなった。アルムは真っ直ぐロエンを見据え、剣を向けた。

アルム「…ロエン、きみがどうしてもアルファたちに味方するって言うのなら、ぼくはそれを全力で止める。勝負だ!」
ロエン「…やっと吹っ切れたのか、これで…っ!?」

ロエンが言葉に詰まる。それは、彼が呟いている間に、アルムがさっと懐に入り込んできたからである。

ロエン「くっ…!」

アルムの剣の軌道を読み、ロエンは上体を反らして剣をかわす。そしてそのまま回し蹴りを入れる。その蹴りは完璧にアルムの腰を捉えた。しかし―――アルムは動じない。

ロエン「………!!」
アルム「はぁぁっ!!」

ザシュッ!!
ロエン「ぐっ…ぐああっ!!」

今度は確実に捉えた。ロエンの肩から脇腹にかけて、鋭い傷を刻んだ。しかし、回し蹴りは効いていた。

アルム「…うっ…!」

腰に鈍い痛みを感じ、アルムは片膝をつく。ロエンの最も得意とする蹴りがもろに入ったのだ、無理もない。

ロエン「負けられないんだ…こんな所で邪魔されてたまるか!!」

ロエンはそう叫ぶと、アルムの方に近づいてくる。

アルム「ぼくだって…負けられない…!」

アルムはどうにか立ち上がった。連戦の疲れ、そして体へのダメージに、自らの身体が悲鳴をあげているのが分かる。それでも―――アルムは諦めるわけにはいかなかった。ここで自分が倒れたら、下で、そして横で戦っている14人に申し訳が立たない。14人分の思いを背負って、アルムは立ち上がったのだ。

ロエン「…これで…決めてやる…!」

ロエンはそう言うと、右足を高く振り上げた。その足から、眩い光が放たれる。その光は少し離れた場所にいる6人にも見えた。

アラン「なんだ…!?」


ロエン「これで終わりだ…ソーラー・インパクト!!」

蹴り出されたその足は、アルムの下腹を寸分違わず捉えた。

アルム「うああああああっ!!!」

今までで一番遠くまで飛ばされ、アルムはまたしても壁に激突する。

アルム「…がっ…!」

カランカラン…

アルムが握っていた剣が、アルムの手を離れて床に落ちた。
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