Chapter 2-7
その夜、アルムたちの部屋では4人が真剣な表情で話をしていた。もちろん、話題は戦術学の時にレイシアがアリュードを目撃した件についてだ。
ルーナ「レイシア、ほんとにアリュードだったの?ひょっとして見間違えたとかじゃないの?」
レイシア「いいえ、あれは絶対にアリュードだったわ。私、視力には自信があるの。ただ…これでアリュードの行動を探るのはますます難しくなったわね…」
アルム「えっ?どうして…?」
セリス「決まってんだろ。一度気づかれたんだ、次からはあいつももっと慎重に行動するはずさ。これで屋敷は使えなくなったからな…」
セリスの言葉に、「ああ…そっか…」と納得するアルムだが、レイシアは鋭くセリスに切り込んだ。
レイシア「セリス…あんた、アリュードの行動について何か知ってるわね?」
セリス「えっ…何でそうなるんだよ…?」
レイシア「『屋敷は使えなくなった』って、前からアリュードはあそこを利用してたってことでしょ?それから、セリスがそれを言えるってことは、アリュードがどこに行ってたか知ってたってことにならないかしら?」
レイシアの読みはズバリ的中した。セリスは頭を掻いて、「ああ、知ってたよ」と打ち明けた。
セリス「ちょっと前の訓練前に見ちまったんだよ。あいつが屋敷の階段登ってくとこ…。けど、俺が知ってたのは居場所だけだぜ。目的までは…」
首を振りつつセリスは話す。いつも以上に真面目な態度に、レイシアもセリスを信用したようだ。
アルム「だけどさ、わざわざ訓練さぼってまで、バルコニーに行ってやることって一体何なの?」
ルーナ「それが分かんないのよね。でもさ、あたしたちが突き止めても、アリュードがそれを止めなかったら意味ないんじゃないの?」
セリス「確かになぁ…」
レイシア「だけどね、私たちが……で………」
この話に、彼らはこの後1時間以上を費やした。