Chapter 29-2
エド「おれも行くの…?」

エドは手を挙げていなかった。なのにこちらのメンバーに入っている。

ラルド「会得したことを、本人の目の前で見せてやればいい」
エド「………?…あっ、そっか…!」
ラルド「そうだ。頑張れよ」

うん、と力強く頷くエド。だが他の者はラルドの言葉の意味が分からなかった。そしてそれを聞く前に、ラルドは次のメンバーを発表していた。

ラルド「セリス、ルーナ、アンナ、ノイル、ルージャはクラリスと一緒にキースの捜索にあたってくれ」
セリス「…りょーかい。頑張って見つけてみせますよ」
ラルド「…ああ。キットは頼んでおいたことをやっていてくれ」
キット「分かりました、では早速取りかかります」

キットは席を立ち、ドアの前で部屋の中にいる全員に向かって「…ではまた」と言って、部屋を後にした。

ラルド「では、解散だ。アレク、後は頼んだ」
アレク「分かった。じゃあ、ちょっと集まってくれる?」

ぞろぞろと部屋を出て行く人の間を分け入って、天界に向かうメンバーがアレクの元に集まる。それ以外のメンバーが出て行ったのを確認して、アレクはドアを閉めた。

アレク「特にこれといって言うことはないんだけどね、ただ1つだけ言うことがあるんだ。この先、何が起こるか僕にも分からない。それでも…自分を、仲間を信じて頑張ろう。僕と君たちはもう先生と生徒じゃない、同じ仲間どうしなんだから」
アルム「…はい、頑張ります」
リズ「…(コクリ)」
エド「おーっ!」
セイファー「うん、ボクも頑張るよ!」
アレク「それじゃ…行こうか!」

アレクを先頭に、5人は部屋を、屋敷を、町を出る。そして、精霊の祠へ飛ぼうとした、その時。

セイファー「待って下さい!5人くらいなら、何とか入り口には連れて行けると思います!」
アレク「…ルーラでかい?」
セイファー「ルーラとはちょっと違うんです。ボクがいつも天界に戻る方法なんだけど…ルーラみたいに空に飛んでったりはしないから…」

とりあえず百聞より一見。4人がセイファーの近くに集まると、セイファーはすぐ近くにいるみんなにすら聞こえない声で何かを呟いた。すると、ぼんやりとした白い光が5人を包み込み、やがてそれは一点に収束して消えた。その光とともに、5人の姿もきれいになくなっていた。
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