Chapter 29-1
セイファーとレイズが加わり、18人となったグループ。クラリスとレイシアがラダトームから持ち帰った情報も合わせて、ルプガナの屋敷では作戦会議が行われていた。

ラルド「敵の確認だ。アルファ、ベータ、ガンマ。そして、ザルグ、ファッグ、トゥーダ、それと…ディル」

苦虫を噛み潰したような表情で、ラルドはそう付け加える。が、アレクはまだいる、と首を横に振った。

アレク「天界王もね。こっちは誰かに操られてるかもしれないから、100%敵とは言えないんだけど」
クラリス「でも、敵と勘定するべきだわ。敵は多いを想定して準備しておいた方がいいもの」

そうですね、と、キットも相槌を打つ。

キット「そして、我々のすべきことは3つ。ロエンの奪還、キースの捜索、そして敵のせん滅です」

一同頷く。ラルドは全員を順に見た。会議は円卓で行っているのだ。

ラルド「ロエンの居場所についてだが、ディルのことがあって一時期うやむやになっていたが、おそらくロンダルキアにいると思われる。敵の潜伏する場所は、大体ロンダルキアに絞られるからな。何より、数日前にロンダルキアの近くでセイファーとレイズがロエンを見ているらしい」

セイファーとレイズは、ラルドの言葉に頷きを返した。

ラルド「そこで、明後日あたりにロンダルキアに乗り込もうと思う。乗り込みたい者は、手を挙げてくれ」

いくつかの手が上がった。中でも即座に挙手したのがレイシアとタアだ。次いでユリスとリズ、アルム、アリュード、セイファーとレイズといった具合だ。

ラルド「分かった。では私と、レイシア、ユリス、タア、アリュード、レイズ。この6人で乗り込もう」
リズ「ちょっと待って下さい」

リズは納得いかない、というようにラルドを見た。

リズ「私も行かせて下さい。お願いです」

その眼差しは真剣そのものだった。自分も力になりたい…!そんな強い思いが、彼女から伝わってきたラルドは、一つ息をついた。

ラルド「その姿勢は立派だ。だから、お前には別の場所で戦ってもらう」
リズ「えっ…?」
ラルド「今日、アレクと一緒に、天界に乗り込んでくれ。アルム、セイファー、エドウェルムも一緒だ」

えっ…?
この時そう思った者は、リズだけではなかった。
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