Chapter 28-12
クラリス「…とりあえず、ルプガナに戻りましょうよ。このことを残りのメンバーにも伝えておかなきゃ…」
ラルド「そうだな。話の続きは戻ってからにするか。お前たち2人も、一緒に来てくれるか?」
セイファーとレイズの方を向いてそう訊ねると、2人は顔を見合わせた後に頷いた。
クラリス「悪いけど、私は少し残るわ。城の地下に、王様がいるらしくて。レイシアと一緒に確かめに行きたいから…」
突然名前を呼ばれたレイシアは一瞬びくっとしたが、すぐに状況を把握して返事をした。
セイファー「あっ、じゃあボクがみんなを送ります。ちょうどキメラの翼があるから…」
セイファーは懐からキメラの翼を取り出し、空に放り投げた。クラリスとレイシアを残して、8人はルプガナへと戻った。
クラリス「…さてと、それじゃ、行きましょうか。王様から、何か聞けるかもしれないわ」
レイシア「はい、そうですね。確か地下牢…でしたよね?」
残った2人も、すぐに振り返ってラダトーム城へと引き返していった。
◇◇◇
8人がルプガナに戻って驚いたのは、一切争った形跡がないのに、天上軍との戦いがあった、とアレクから聞いたことだった。
アレク「みんな強くなったよ。知らないうちにね」
キット「ええ、私たちが保証します。彼らは一段と腕を上げていますよ」
2人の話から、どうやら簡単に軍を退けたようだった。まずは一安心と、ラルドは全員を屋敷の会議部屋に集めた。
そこで、ラダトームでのことを全て伝え、キースを探し始めることも告げた。
ラルド「こればかりは、手分けして探す他ない。組み合わせも人数も特に指定しないから、4グループ以上に分かれて世界中の町を虱潰しに探していく必要がある」
それを聞いて、アルムの隣にいたセリスは「マジかよ…こりゃタフな仕事だぜ…」とアルムに耳打ちした。アルムはそれに対し、苦笑いを返す以外ない。
ラルド「ラダトームの天上軍を壊滅させたとはいえ、まだ予備軍や他の軍がないとも限らない。なるべく速やかに事を起こすべきだ」
セイファー「あの…その前に、ボクたちからも、皆さんに伝えておきたいことがあります」
おずおずと話し出すセイファー。ラルドは話を止め、皆と一緒に彼とレイズの言葉に耳を傾けた。