Chapter 1-13
シェルトが出て行った瞬間、エドたち3人が早々と部屋を飛び出していった。
セリス「てことは…教習所の訓練ってやっぱり昼までで終わりなのかよ!?ラッキーだぜ!」
いきなりセリスのテンションが上がる。ロエンも「僕の思った通りだ!」と得意気だった。セリスはアルムに近づいてきて、浮かれた表情でこう誘った。
セリス「よーし、今から町に出かけようぜ!ここの旨いもんとかも食いたいしな!」
アルム「え、いや、ぼくはちょっと…」
セリス「何だよ、付き合い悪いぜ?いいじゃん、行こう行こう!」
アルム「あの…だからさ…」
セリス「んじゃ、しゅっぱーつ!!」
半ばセリスに拉致されそうになったアルムだったが、レイシアがセリスを殴ることでそれは阻止された。
レイシア「あんた、アルムの性格を利用するんじゃないわよ。アルム、今からお昼ご飯作らない?ルーナも一緒に!」
アルム「ほんとに!?うん、作ろう!」
ルーナ「あたし、頑張るぞー!」
3人はすっかり意気投合し、自分たちの部屋に戻って行った。殴られた頬をさすりながら、セリスは1人で愚痴った。
セリス「ったく、アルムのやつ、全然態度が違うじゃねぇかよ…つーか、昼飯作んのに何を頑張んだ、何を」
アンナ「…そりゃ、アルムが嫌がってたもの。至って普通の結果だと思うけどね?」
セリス「やれやれ、本当大変な生活になりそうだぜ。仕方ないな、アンナ、町の見物行くか?」
アンナ「いいよ、あたいは町にすごい興味あったからね」
この2人も、部屋を抜けて屋敷の外に向かった。
タア、ユリス、リズ、そしてロエンはどうやら自主訓練をするらしく、武器の手入れなどを行っていた。ただロエンだけは、訓練の動機が微妙なものだったが…。
ロエン「レイシアが遊んでるうちに、少しでも強くなってやるんだ!」
もう1人、残ったアリュードは大きめの鞄を持って、無言で部屋を出て行った。
ロエン(アリュード…訓練の時もどこ行ってたんだろう…)
気になるが、気にしても仕方がない。ロエンたち4人は各自自主訓練に入った。
このそれぞれの午後の時間の使い方が、後にどのような影響を及ぼすのか…?はたまた及ぼさないのか…?13人の本格的な教習所生活は今、スタートを切った。
〜続く〜