Chapter 25-10
アレク「僕はガライの町で、キースと出会った。そこで共通の敵がいることを知って、一緒に旅をすることになった。その後立ち寄ったマイラで、僕たちはクラリスに出会った」
アレクの言葉に、クラリスは頷いた。
アレク「それからしばらく、僕たちは3人で旅を続けた。そして、こっちの世界に来る道を作った」
アルム「…アレクさんたちも、一緒にいたんですね…すごい…!」
クラリス「それから旅をする間に、私たちはラルド、ディル、キットに出会ったわ。みんな、キースと一緒に旅をしたの。それと、忘れちゃいけないのがあの2人…」
あの2人?アルムとユリスははじめ、誰のことを言っているのか見当がつかなかった。ちらっとレイズを見ると、不思議そうな表情をしているので、彼とセイファーのことではないらしいが。
ユリス「あの2人って、誰ですか?」
ラルド「ついこの前に会っただろう、お前たちと年が同じくらいの双子に…」
アルム「…えっ、もしかして…!」
アルム・ユリス「セルとルイ…!?」
アレク「当たり。そうだよ、セルとルイも僕たちの、それからキースの大切な仲間だった」
レイズ「ちょっと待ってよ、今から3年前の話でしょ!?あの2人、その頃10歳ぐらいじゃないの!?」
レイズの声が少し裏返った。それに少し吹き出しそうになりながらも、クラリスが説明した。
クラリス「そうよ、私たちが初めて彼らに会った時、2人は10歳だったわ」
ユリス「10歳の子供が、勇者の仲間だったってことですか…?」
ラルド「そうだ。全く驚いた、あの年でその道の手練れ以上の力を持っていたのだからな。あの2人が教習所の生徒ではなかった理由もそれだ。こう言ってはお前たちに悪いが、あの2人にとって教習所の訓練は話にならないレベルだったのだからな」
ユリスはただぽかんとしていた。次から次へと知らされる真実に、頭がついて行かないようだ。アルムはセルたちのことを少し知っていたので、ユリスほどではなかっただろうが。
ラルド「話は戻るが…それから、我々8人で当時の魔王ガルドス、そして暗黒世界神ゼノムを倒した。まさに死力を尽くした戦いだったな…今でも思い出すと身震いするほどだ」
ラルドはそう言って、ちらっと窓の外を見やった。