Chapter 1-11
アルム「ルージャって…あの3人組の真ん中にいる…?」
ありはしないのに、うっすら人違いであることを信じたくなったアルムはそうこぼした。ルーナは半ば呆れたように、「他に誰がいるの」と言い切った。
セリス「へぇー、あのルージャがねえ…人は見かけによらないって本当だな、おい」
レイシア「…あんたは見かけのまんまだけどね」
セリス「だー、あんたって何だ!俺の方が年上なんだぞ!」
レイシア「じゃあ…やる?」
不敵な笑みを浮かべて、セリスに近づくレイシア。「もうやめなよあんたたち…」とアンナが呟く。セリスはというと、「わかった、俺が悪かったって!」と、至近距離に接近される前に取り繕った。その後、セリスは隅に移動して「俺の教習所生活はお先真っ暗だな…」とか何とかぶつぶつ呟いていたが、レイシアは見なかったことにしたらしく、話題を戻した。
レイシア「ルージャ…すごいのね。やっぱり教習所に来るからには、それなりの理由があるのね」
ルージャ「ボクがどうかしたの?」
レイシア「ルージャ!?いつの間に隣にいるのよ!」
ルージャ「さっきからいたよ。何かボクの名前が聞こえたから…」
ルージャがいるということは、もちろんそばにエドとノイルもいる。エドがセリスを指差して、レイシアに報告した。
エド「なんかさ、ぶつぶつうるさかったから、ラリホーマかけといたよ」
レイシア「それはどうも…って…」
アルム「ラリホーマ!?」
ロエン「君…ラリホーマを使えるの?」
エド「まあね。おれがスラリンといられるのも、ラリホーマがあったから…って、スラリン!?」
先ほどまで肩にいたスラリンがいない。辺りを見回すと、スラリンは眠っているセリスの横にいた。ちょうどその時、寝返りを打ったセリスの腕が、スラリンを叩きつぶした。
エド「あーーー!!!スラリンが!!」
セリス「んぁ?何?何だよ?」
スラリンは色々な意味で完全に伸びていた。すると、ノイルがスラリンを抱き上げて。
ノイル「仕方ないなぁ…ベホマ!」
アルム「えっ…!?」
アンナ「ベホマ…!?」
ルーナ「うそ…!」
レイシア(…この3人組…侮れないわ!)
その場にいた者は、3人の秘めた力にただただ驚くばかりだった。