Chapter 1-10
セリス「ほぉー、やっぱりどの先生もすごいんだな」
レイシア「そうね、私たちも先生を目指して頑張らなきゃ!」
ロエン「僕だって!レイシアより先に先生になってやる!」
レイシアの何気ない言葉が、ロエンの負けず嫌いに火を付けた。
アルム「何でそこまでレイシアと張り合いたがるの…?」
セリス「全くだぜ、どっちが早く先生になっても変わんねぇのに」
レイシア「いや、その前に、私は先生になるって意味で「目指す」って言ってないから…」
冷静に突っ込みを入れるレイシア。5人全員が笑う。だが、ロエンの負けず嫌いは収まっていなかった。
ロエン「とっ、とにかく!僕はレイシアには絶対負けないからね!」
レイシア「ふふっ、私だって、ロエンには負けないわよ!」
武闘家2人が互いを見合う。
アルム「余裕あるよね、レイシア笑ってるよ?」
セリス「一応ロエンより年上だからな。まあでも、俺から見れば、どっちも対して変わ…ぐふっ!」
レイシアの拳骨がセリスの左頬に見事にヒットする。
レイシア「…一言多い」
セリス(ちくしょ、俺の方が年上なんだぞ!ったく…)
レイシア「何か言った!?」
セリス「…なんでも」
再び、小さな笑いが起こった。
◇◇◇
それからしばらくして、ようやくルーナとエド達が戻ってきた。戻って来るや否や、エド、ルージャ、ノイルの3人は走り回る。本当にどこまでも元気な子供たちだ。
そんな3人組を横目に、ルーナはアルムたちの所までやってきた。
ルーナ「あ、アルムたち、おつかれー!」
レイシア「ルーナ、お疲れ様!」
アルム「お疲れ!訓練、どうだった?」
アルムの質問に、ルーナは笑顔でピースを作った。
ルーナ「えへへ、あたしね、呪文1つ覚えちゃった♪」
セリス「マジかよ!?この短い時間で…」
まだ左頬が赤いセリスが驚きの声を上げる。ルーナは少し苦笑いを浮かべて、「メラなんだけどね」と返した。
セリス「それでもあれだけの時間で覚えるのはすごいぞ…?」
ルーナ「ありがと。でもね、あたしびっくりしちゃった。ルージャがね、ベギラマ使えるんだよ!」
驚きの事実に、アルムたちは「えぇーー!?」とただ声を上げるだけだった。