Chapter 24-6
レイズ「…なんだろあれ、って聞くまでもないよね…」
アルム「聞きたいけどね…」
どんどんこちらに近づいてくる。もう間違いない、紛れもなく3頭のドラゴンである。そして後ろにおまけという感じでキメラ2匹もいる。いかにも獰猛そうなドラゴンの姿に、アルムやユリスは反射的に剣や槍に手をかけてしまった。
ルイ「2人とも、ダメだよ!」
その声に、慌てて手を引く2人。半ば投げやりな気持ちで、(もうなるようになれ!)とアルムは目をつぶった。
が、ドラゴンたちはすっ、と彼らの側に着陸し、乗りやすいように背を低くしておとなしくしている。これにはアルムたちも面食らった。
ルイ「2人ずつ乗って!大丈夫だって♪」
セル「そうそう、キメラより全然乗りやすいはずだからさ!」
それぞれキメラに跨りながら、2人は笑っている。どうやら本当に、ドラゴンたちは安全な乗り物になっているようだった。
ラルド「アルム、一緒に乗るか?」
アルム「あっ、はい」
ドラゴンに気を取られて、ラルドの言葉をまともに聞いていなかったアルムはほぼ反射的にそう答えた。そのままラルドの後ろに座る格好で、恐る恐るドラゴンに跨る。
アルム(あれっ…思ったより乗りやすいかも…)
そんなことを考えている間に、ドラゴンは地面を蹴っていた。
ルイ「しっかりつかまっててねー!…東へ!」
ルイの一声で、ドラゴンたちは一斉に東へ向けて飛び立った。
◇◇◇
8人がサマンオサ城下町の前に到着したのは、それから1時間と経たない頃のことだった。
ラルド「2人とも、とても助かった。ありがとう」
セル「オレはほとんど何もしてないけどな…っていうか、眠くて眠くて…」
そう言って、セルは大きな欠伸を1つ。言われてみれば、彼は深夜に6人を尾行したので、ほとんど寝ていなかった。
ルイ「あはは…セルはあんまり寝てなかったもんね。それはそうと…みんな、頑張ってね!」
セル「知らない敵なんかに負けんなよ!」
アレク「うん、必ずロエンを助け出してみせるよ!」
ルイ「それじゃ、またねー!」
手を振って6人が見送る中、セルとルイは乗ってきたキメラに再び乗ってアリアハンへと帰っていった。