Chapter 20-11
そのルプガナ平原から遠く遠く離れたとある魔城に、怪しげな人影があった。
???「…もう少し…もう少しで、わたしの目的が…!」
そう呟いて、その女は唇に薄笑いを浮かべる。彼女の目の前には、禍々しい気を放つ巨大な装置がある。それが何であるのかは、彼女と彼女に関係する者にしか分からない。ただ1つ分かることは、この装置が彼女の目的に大きく関わっている、ということだけだ。
その時、ふと彼女の背後にある扉が開いた。そして、その奥から謎の男が現れた。
???2「またここにいるのか…お前も物好きな奴だ、あれを見るのがそんなに楽しいか…?」
???「………」
女は聞こえない振りをしているのか、男の言葉に答えない。すると男はやれやれといった感じの笑いを浮かべた。
???2「…フッ…だんまりか、まあいいだろう。だがそろそろ教えてくれても構わんだろう、お前の狙いを?」
???「…あなたには関係のないこと…」
???2「ようやく口を開いたかと思えば…まあ構わんさ、お前の言い分は確かだからな…しかし…お前の言う「あのお方」が何と言うだろうな…!」
???「………!!」
男は残忍な笑みを浮かべて、彼女に言葉を投げかけた。息を詰まらせる彼女を見て、愉しんでいるかのようだ。
???2「…お前の計画が成就することを願っているよ…」
いかにも嘘らしい臭いを漂わせて、男はそう言った。「…それはどうも」とぶっきらぼうに返す女を振り向くこともせず、入ってきた扉から出て行った。
女の方も、出て行く男には目もくれず、ただ装置の方に目を向けていた。
???「…残念だけど、勝つのはあなたじゃなくてわたしよ…!」
勝ち誇ったように、女は声を上げた。それに呼応するかのように、装置の中の何かがわずかに蠢いた。