Chapter 19-3
と、その時、表側からメリーが慌てて走ってきた。
メリー「あなたたち…もう終わっちゃったの!?」
アーロン「ああ、この4人の強さを少し甘く見ていた」
メリー「…とりあえず、みんなを回復するわね」
メリーが呪文を唱え、アーロンを含む5人の傷が塞がった。
アーロン「私のエアスラッシュで、もう少し時間を稼げると思ったのだが…まあお前たちの力量が上回ったということだ。よし、ではお前たちは表に戻って、次のグループを呼んでくれ。その後はゆっくりしていて構わない」
アーロンの言葉に4人は頷き、くるりと向きを変えて走り出した。
メリー「意外だわ…」
アーロン「全くだ、あいつらの成長速度は私の予想の範疇をはるかに超えていた…」
メリー「それだけに、もう少しでみんなとの生活が終わっちゃうのが名残惜しいような気もするわね…」
アーロン「ああ…そうだな…」
◇◇◇
アンナ「…あんたたち、もう終わったのかい!?」
アリュード「まだ5分経つか経たないかだよ…?」
表に戻ると、待機していたみんなから驚かれたが、それ以上にアルムたちの方が驚いた。
アルム「…タア、これがメンバー!?」
タア「…悪いかよ?」
タアのグループはというと、残り3人がエド、ルージャ、ノイルである。これで勝負になるのだろうか…?そんな空気が辺りに漂っていた。
タア「元々オレ1人で十分なんだ、こいつらがちょうど3人だから捕まえただけだ」
タアはちらっと3人を一瞥し、また視線を前に戻した。
タア「…お前ら、行くぞ」
エド「ルージャ、ノイル、もう行くんだって!」
ルージャ「ほんとに?よーし、がんばるぞー!」
ノイル「おーっ!!」
タア(うるせぇ…)
タアはため息を漏らしつつ、裏庭へと向かっていった。
セリス「あんなパーティーで大丈夫なのかよ…さすがにタアの奴も1人じゃ無理だろ…?」
セレイス「…いや、あの3人を見くびらない方がいいよ。ああ見えてあの3人、呪文はすごいからね。そうだよね、ルーナ?」
ルーナ「はい♪」
レイシア「本当かしら…」
レイシアは変わらず心配そうに、屋敷で隠れた裏庭の方に目を向けた。