Chapter 17-12
アーロン「…ここだ。この祠の裏手に、最近巨大なモンスターが現れるという噂を聞いた」
ゼクトル「噂かよ…噂ってんならいないかも知れねえんじゃねえか?」
アーロン「いや、それは無いはずだ。この周囲だけ、地面の草が全て倒れている。何かに上から、それもかなりの力で踏みつけられた証拠だ」

巨大なモンスターはいる、と示唆するアーロン。アルムは辺りをぐるっと見回してみたが、まだ何も現れる気配はない…はずだったのだが。

レイズ「…何か来るよ」
セイファー「森の奥から…」

2人の天使が森に目を向ける。祠の後ろを守るようにそびえる森から、何かが来ると言うのだ。

ゼクトル「何だって?まだ何も…」
アーロン「私も、まだ何も感じ取れないが…」
セイファー「まだ結構遠いみたいだけど…確かにボクたちの方に近づいて来てる」

天使たちには、より遠くのものも感じ取れるようだ。それより少し遅れて、アーロンとゼクトルも近づく何かを察知したようだった。

アーロン「なるほど…さすがだな。よし、全員戦闘体制に入れ!」

アーロンの一声で、3人も武器を構え、戦いの姿勢に入る。するといよいよ、何かが近づいてくる音が聞こえ始めた。3人はそこで始めて、近づく何かの存在を確認できた。

アルム「さあ…来いっ!」

そして、ついにそのモンスターが姿を現した。

タア「何だこいつ…!」
レイシア「ずいぶんと大きい敵ね…」
ゼクトル「俺らも見たことねえ敵だ…油断すんなよ!」

ゼクトルはそう声を飛ばすと、自ら真っ先に飛び出した。その時、アルムたちは驚愕することになる。気づけば、そのモンスターに鋭く深い傷が刻まれていた。
ゼクトル「…まずはご挨拶、ってか?」

アルム「はっ、速い!!」
レイシア「こんな速さ、今まで見たことないわ…!」
タア「あいつ…ずっと手を抜いてたってのか…!?」

敵に大きなダメージを与えたのは確かだが、大きさから見てかなり打たれ強いものと思われる。最後方のセイファーとレイズは、それぞれ弓と斧を手にしていた。

セイファー「レイズ、頼むよ!」
レイズ「そっちもしっかりね!」

セイファーが弓を引き絞る。それと同時に、レイズがふわりと高く、ほとんど辺りの木の高さと同じくらいまで飛び上がった。
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