Chapter 17-2
アルムは最初、シェルトが残った全員をルーラで運ぶものと思っていた。しかし…
アーロン「よし、岬に向けて出発するぞ」
シェルト「ええ、行きましょう、皆さん」
そう言うと、アーロンとシェルトはただ歩いて行こうとした。これには、生徒たちも唖然とした。
レイシア「…先生、ルーラを使うんじゃ…」
ゼクトル「いや、ルーラは使わねえよ。元々お前ら3人には、ルーラで帰ってもらうつもりは無かったからな」
タア「…は?何言って…」
アーロン「お前たち3人には、もう少し実習に付き合ってもらう、という意味だ」
アーロンの言葉を飲み込めずにいる3人に、彼はさらに続けた。
アーロン「お前たち3人は、教習所内でトップクラスの実力がある。この半年間、ずっと近くで見てきた結果だ。ここからベラヌールを経由してルプガナに戻るが、道中様々なモンスターが現れることだろう。私たちの見ている前で、その力を見せてもらいたい。お前たちが…「真に戦うことの出来る」人物なのかどうかをな…」
アルムはその言葉を聞いて、我が耳を疑った。
アルム(ぼくが…トップクラスの実力?そんなはずない…剣はタアたちの方が上手だし、呪文もルーナたちにかなわない…どうしてぼくなんかが…?)
心の中ではそう思いつつも、アーロンの言葉だからと、アルムはそれを信じてしまう。
シェルト「もちろん、万一に備えて、私たちが護衛につきます。基本的には、あなたたちだけで進んでもらいますが」
ゼクトル「まあ、無理にとは言わねえ。自信が無けりゃ、降りてもいいぜ?」
アーロン「その通りだ。ベラヌールの祠に居座っている巨大な敵も倒さねばならないからな。危険度は倍増している」
これだけ色々言われて、アルムには自らの足で無事にルプガナまでたどり着く自信は無かった。