Prologue-7
13人の生徒たち全員が、入ってきた5人に目を向ける。
セリス(…想像以上に若い人ばっかだな。真ん中の人なんか、俺と歳変わらないんじゃないか?)
セリスは真面目な顔で、5人全員を順に見ていく。右端の長身の男を除いては、かなり若い面子だった。
静寂の中、一番左に立っていた男、アーロンが口を開いた。
アーロン「…13人の生徒の諸君、よく来てくれた。私はラルド=アーロン。担当の教科は戦術学だ。これから、どうぞよろしく」
パラパラと拍手が起こる。アーロンは1つ咳払いをして続けた。
アーロン「順に紹介する。私の隣が、剣術学担当のゼクトル先生だ」
ゼクトル「みんな、よろしくな!」
再び拍手。さらにアーロンは順に紹介を続けた。
アーロン「その隣がセレイス先生、担当は魔術学。その隣がメリー先生、担当は体術学だ」
紹介された2人は軽くお辞儀をする。そして最後に、アーロンは長身の男を紹介した。
アーロン「そして、呪術学担当のシェルト先生だ」
シェルト「よろしくお願いします。一緒に頑張っていきましょう」
なぜか一番大きな拍手が起こる。アーロンはここでしばらく間をとり、話を続けた。
アーロン「色々と言いたいことはあるが…今日はみんなも疲れていることだろう。屋敷の中の空いている部屋を、自由に使ってくれて構わない。それでは、今日は解散。明日の9時に、ここに集まってくれ」
「解散」の言葉を聞いて、エドたち3人が早々と部屋を後にした。正確には、走って出て行ったと言うべきか。
アルムは拍子抜けしていた。この教習所、自由度が高すぎないか?という疑問が頭に浮かび、彼はアーロンの元に歩いていった。
アーロン「レンバートか、どうした?」
アルム「はい、教習所ってもっと…厳しい所だと思ってたので」
アルムの言葉に、アーロンは微笑した。
アーロン「うちは1年目だ。私たちも、お前たちと同じ新人だ。試行錯誤というわけだ、ここに来るぐらいの者なら生活に心配はないだろうからな」
そう言い残して、アーロンは部屋を出た。アルムは意外な返答に、ただぽかんとしていた。