Chapter 15-13
翌日、ペルポイを経由する船が昼前にデルコンダルに来ると宿屋の主人に聞き、アルムたち3人は午前中、少し時間つぶしにその辺りをぶらぶら歩いていた。
アルム「でも…こんな日もあってもいいかもね」
セリス「だな。毎日訓練で大変だしな…」
セイファー「ボクも、当てもなくぶらぶらするの、嫌いじゃないな」
そうしてある程度散策を終え、広場に戻って来た時、アルムの目に見覚えのある男が映った。その男は、2体の銅像を代わる代わるに見ていた。
???「ラルド=アーロンにキット=シェルト…か…。本当、さすがだよな…」
アルムがゆっくり近づいていくと、男が誰だかはっきり分かった。
アルム「あれ…アランさん!ぼくです、アルムです!」
アラン「ん…?おー、また会ったな!」
アルム「あの…何をしてるんですか?」
アラン「ああ、観光だよ。ちょっと羽を伸ばしにな、2日前からいるんだ」
アルム「そうなんですか…あっ、紹介します、セリスとセイファーです」
アルムに紹介された2人は、アランに軽く礼をした。
アルム「遅れたけど、この人はアランさん。ぼくの命の恩人なんだ」
セリス「えっ、そうなのか?」
アラン「そんな大層なもんじゃねーけどな。ところで、お前らは何してんだ?」
アルム「ぼくたち、実習の途中で…これから、船でペルポイに行く所なんです」
そう言うと、アランの表情が微妙に変化した。
アラン「そうなのか?実は俺もその船に乗るんだよ」
アルム「えぇっ、本当ですか!?」
アラン「ああ、この後ラダトームに行くんだ。そうだ、昼までには時間もあるし、よかったら外をぶらぶらしないか?」
セリス「それいいですね!行きましょうよ!」
アルム「うん、アランさんがいたらモンスターも大丈夫だしね!」
セイファー「アランさんって…すごいんですね…」
アラン「だからそんな大袈裟なもんじゃねーって…」
こうして、ひとときではあるが、頼れるアランと共に行動することとなった。