Chapter 15-12
セイファー「…えっ?この2人、キミたちの教習所の先生だったの?」
後ろでアルムたちのやりとりを聞いていたセイファーが、ふと口を挟んだ。
アルム「多分そうだよ…でもそれがどうしたの?」
セイファー「いや…いい先生に教えてもらってるんだなあ、って思って…」
セリス「…かもな」
本当は、セイファーはそれ以上のことを知っていた。天界からいつも見ていたのだ。当然、キースたちによる、あの歴史に残るアレフガルド全域の命運を賭けた戦いも、そしてその仲間の中に2人が入っていたことも、しっかりその目で見ていた。
セイファー(きっと…言わない方がいいんだよね…?)
セイファーは心の中で、自分に言い聞かせるようにそう思った。
日も水平線の向こうに沈みかけ、辺りもかなり暗くなってきたので、デルコンダルで一夜を明かすことを決め、宿を取った3人。セイファーは自分たちと同じ生活をできるのか?などなど気になることは多々あったが、「キミたちに合わせるから大丈夫だよ?」と彼が言ってくれたおかげで、2人は気にせず普段通りにすることができた。
その夜遅く。なかなか寝付けず、ベッドの上でもう何度目になるか分からない寝返りを打ったアルムは、こちらを向いていたセイファーとぴたりと目が合った。
アルム「…起きてたんだ」
セイファー「うん、こういう生活初めてで、慣れてないから…」
アルム「そっか…。ぼくはちょっといろいろ考えごとしてて…」
セイファー「考えごと?」
どんなことを、と付け足されたセイファーの問いに、アルムは頷いて答えた。
アルム「うん…先生たちって、何をしてた人なんだろう、とか考えちゃって…。どうしても普通の人だとは思えないんだ」
セイファー「そうなんだ…ボクもその人たちを見てみたいな…」
アルム「ぼくは天界ってところを見てみたいよ…」
セイファー「天界?天界はね…」
この後、最初の話から論点がずれていき、二人の話は遅くまで続いた。