Chapter 15-8
???「レンバートくん、ようこそ、秘密の場所へ…」

アルムの方に何者かが歩いて来る音が聞こえる。誰か怪しい者が…?アルムの心臓は少し速くなった。が、それは杞憂に過ぎなかった。

セリス「アルム、ここがどこだか分かるか?」

セリスがある人物と共に、曲がり角から姿を現した。一緒にいるのは、なんとシェルトである。最初に聞こえた謎の声は、シェルトのものだった。

アルム「せ…先生…。脅かさないで下さいよ…」
シェルト「それはすみませんでしたね。何せ、暇でしたから。ずっとここに1人でいましたからね…退屈していたんですよ」

シェルトは少し冗談交じりに笑った。真面目なシェルトの意外な一面を、アルムは知った。

シェルト「ですが、ここが秘密の場所だというのは本当なんですよ。地図を見れば分かるでしょうか?」

セリスがアルムに地図を渡す。現在地を示す羽根は意外にもペルポイの近く―――海に浮かぶ小島を指していた。

シェルト「ただ残念ながら、ここから直接ペルポイには行けないんですよ」
セリス「そうらしいんだ。ちょっと惜しい気もするよな…」
アルム「うん…それはそうだけど…先生、ここからはどこに行けますか?」

この祠にも、旅の扉は3つあった。その内1つはベラヌール北の祠だ。残るは2つだが、シェルトの口から意外な言葉が飛び出した。

シェルト「左側の旅の扉から、ルプガナ西の祠に飛ぶことが出来ます」
アルム・セリス「!!!」

2人は飛び上がった。

セリス「それ、本当ですか!?」
シェルト「ええ…元々ここは、ルプガナ側からベラヌール側へ行かせるために今回開けておいたんですが…あなたたち2人は逆から来たので、少し驚いたんですよ」
アルム「そうだったんですか…セリス、ルプガナに行こう!」
セリス「ああ、もちろんだぜ!」

2人はシェルトにお礼を言うと、左の渦に飛び込んだ。

シェルト「私の暇をつぶしてくれる人は…まだ現れるでしょうかね…?」

2人が渦に消えた後、シェルトは退屈そうな声でそう呟き、1つ息を吐いた。
「#年下攻め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -