Chapter 15-3
セリス「…さーて、2人になったのはいいが…どうすんだ?」
アルム「うん、先生が言ってた通り、ちゃんと準備した方がいいと思うんだ。ちょっとついて来て?」

アルムはそう言うと移動を始めた。セリスがそれについて行く。彼が来たのは町の道具屋だった。

アルム「すみません、薬草8つに聖水4つ、あとキメラの翼を2つ下さい」
*「はいはいはい…って、アルムじゃないか!久しぶりだなぁ!」

「お久しぶりです」と挨拶するアルム。セリスは(そうか、ここアルムの故郷だったよな…)と一時的に忘れていたことを思い出した。

*「久しぶりに会ったんだ、今日の分のお金はいらないよ。とっときな」
アルム「そんな…悪いですよ…」
*「いいからいいから!そっちのお仲間にも、分けてやってくれよな!」

半ば強制的に商品を押し付けられ、困惑したアルムだったが、店主にきちんと礼を言い、宿屋に向かった。

セリス「お、おいアルム、ここにはお前の家があんだろ?だったらそこに泊まれば…宿代浮くって…いうかさ…」

言っている途中で自分が他人の家に押し掛けるような口調になってしまっていたのに気づき、少し声のトーンを下げて結びを言うセリスに、アルムは首を横に振った。

アルム「…ぼく、約束したんだ。頑張って、強くなって、一人前になったら帰ってくる、って。今帰っても、迎えてくれるとは思うけど…約束を破るのは嫌なんだ。ごめんね」
セリス「…バーカ、気にすんなよ。そうやって決めたことを守り通すの、俺は嫌いじゃないぜ。さ、宿屋に泊まって、顔が割れないうちに明日は早くここを出ることにしようぜ」

セリスに似合わないほどの、自身を気遣った言葉に、アルムは微笑んで「うん!」と返すことができた。
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