Prologue-5
元気いっぱいの3人組が騒ぐ中、さらに2人の生徒が部屋に入ってきた。
アルム「こんにちは…ぼく、アルムっていうんだ。よろしく」
???6「あっ、丁寧にありがとう。僕はロエン、よろしく。で、こっちがアリュード。屋敷の近くで知り合ったんだ」
アリュード「うん…まあ、よろしく」
ロエンたちも来て、少し部屋が狭く感じてきた。ロエンたちと一緒に来ていた少女が人数を数え、「あと1人なので、もう少し待っていて下さい」と言って部屋を後にした。
ルーナ「ねーアルム、こっちで何かお話しない?」
アルム「良いけど…レイシアたちは?」
ルーナ「今度はロエンたちに話しかけてるの。ほら」
ルーナが指差す先には、確かにロエンたちに話しかけるレイシアとアンナがいた。
アルム「なんだか…すぐに仲良くなれるってうらやましいよね」
ルーナ「んー、でもレイシアとロエンの様子がなんかおかしいよ?」
ルーナに言われて2人に目を向けると、レイシアとロエンが向き合っていた。
レイシア「絶対私よ!」
ロエン「いや、僕だよ!」
互いに火花を散らす2人。アルムは気になり、アンナに事情を聞いてみた。
アンナ「あたいたちと4人でしゃべってたんだけどね、2人とも武闘家だったらしくて…最初は話が合ってたんだけど、そのうちあたいらそっちのけで張り合い始めたってわけさ」
互いに向き合って火花を散らしてはいるが、喧嘩腰ではなく「自分の方が上だ」という確信を持った眼差しを相手に向けていた。しばらく観察していると、レイシアがクスリと笑った。
レイシア「ロエン、あなたは良いライバルになりそうね。これから、よろしくね」
ロエン「ああ、僕の方こそよろしく。絶対にレイシアより強くなってやるぞ!」
2人が握手を交わし、事態が落着したところで、入り口から三度足音が聞こえた。ふと振り向くと、ちょうど最後の生徒らしき人物が部屋へと入ってくる所だった。