Chapter 14-9
アーロン「…よし、全員揃ったな。では、実習を開始する」

屋敷の庭に、18人、いや19人が揃った。今回救護を務めるということで、フェアルも同行することになったのだ。

今回の実習は、前とは比較にならないほどスケールも難易度も、そして危険度も増していると言うことだった。事前に内容を聞かされていないため、生徒たちには緊張が募っていた。アルムやアリュードなど、緊張のあまり寝不足気味になる始末である。

さらに、いつも騒がしいエドたち3人も今日は静かだった。あまりに静かなものなので、隣のアンナやロエンが3人の額に手を当てて熱が無いか確認したほどだった。

アーロン「まずは1人1枚、これを受け取れ」

アーロンが配ったのは、いくつか印が打たれた部分的な世界地図。アルムは地図上の赤い丸で囲まれた町を見た。


『水の都 ベラヌール』


アルム「…えぇぇぇっっ!?」
レイシア「どうしたの急に…あぁ、ベラヌールって確かアルムの出身地だったわね…」

レイシアの問いに、アルムはこくりと頷いた。が、地図上には青い丸で囲まれた町が…。


『牢獄の町 ペルポイ』


アルム「あっ、レイシアの出身地だね…」
レイシア「うそ…!」
アーロン「…エフェルト、嘘ではないぞ。今回の実習は課題形式だ。ベラヌールで各自清水を買って、ペルポイにそれを持って来い。道中のグループ編成は自由、但し刻限は4日後の日没までだ」

内容は単純だが、実際は難しいものだ。有無を言わず、アルムはいつもの4人でグループを組んだ。見たところは他も同じようだ。

フェアル「みんな、怪我だけはしないでね?」
アーロン「よし、では…開始だ!」

アーロンの声で、生徒たちが動き出す。過去最大の課外実習が、今スタートした。

セリス「フェアルさん、無茶言うよな…。怪我するな、だってさ」
レイシア「…一言多いのよ…。」

…いきなり気分を壊された者もいたが…。
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