Prologue-4
アルム「あの人たちは…?」
レイシア「ああ、みんな初対面なのよね。えっと、あっちがユリス、その隣がアンナ。一番端っこにいるのが、リズ。今来てるのは、これだけみたいね」

レイシアが順番に紹介する。アンナだけは「よろしく!」と元気に言葉を返してくれたが、後の2人はちょこっと会釈をしただけだった。早いところ、全員の名前を覚えてしまわないと、とアルムは思った。

◇◇◇

アルム(退屈だなー…)

アルムは欠伸をしながら、楽しそうに話すレイシア、ルーナ、アンナの3人をちらっと見た。女は打ち解けるのが早いと言うが、どうやら本当のようだ。

ふと隣を見ると、セリスは俯いて眠っていた。その腰には、道具袋と一緒に短剣が携えてある。


とその時、不意に足音が聞こえてきた。部屋の入り口に目を向けると、まだ10歳に満たないくらいの男の子3人が、さっきの少女に連れられて入ってくるところだった。

???5「おい、ノイル!早くしろよ!」
ノイル「待ってよー、ルージャもエドも早すぎるよー…」

一番に入ってきた男の子、エドの肩に、青い物体が乗っているのをアルムは見つけた。すると、その物体が突然アルムの方に飛んできた。

アルム「うわぁっ!!!」
セリス「うお、いきなりでかい声出すなよ!何なんだよ…」

アルムの声で目を覚ましたセリスが目をこする。アルムの頭に乗っている青い物体を見て、「なんだよ、スライムくらいで驚くなよな…」と言って、セリスは大きな欠伸をした。

エド「おれはエドウェルム。エドって呼んでくれよな!それで、こっちはスラリン。おれの友達なんだ!」

手懐けられたスライムを見たことがないアルムは、目を丸くする。エドの後ろから、さらに2人の男の子、ルージャとノイルが入ってきた。

ルージャ「エド、そのスライムちょっと見せてよ!」
ノイル「あっ、ぼくにも見せて!」
エド「やだよ、スラリンは見せ物じゃないんだぞ!」

部屋に入るなり騒ぎ出す3人。レイシアたちは早くもエドたちに近づいている。

セリス「ったく…元気なやつらだなぁ…寝られそうにないぜ…」

ため息混じりのセリスの言葉に、アルムは苦笑いを浮かべた。
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -