Chapter 14-2
セリス、レイシアと別れ、ルーナと2人で今日最初の訓練に向かうアルム。その途中、2人は偶然アリュードに出会った。
アルム「あっ、アリュード!」
ルーナ「おはよー、アリュード!」
アリュード「アルム、ルーナ!おはよう!…そうだ!ずっと描き続けてた絵が完成したんだけど…2人とも見る?」
アルム「ほんと!?」
ルーナ「見せて見せてー!」
アリュード「うん、ちょっと待ってて」
ごそごそと、荷物の中からスケッチブックを取り出し、アリュードはあるページを開いた。それを見た瞬間、2人は言葉を失った。
アルム「うわぁ…すごい…」
ルーナ「みんな…そっくりだね…」
アリュード「ありがとう。時間をかけた甲斐があったよ」
アリュードは嬉しそうに笑う。彼が描いたのは、自分を除くこの教習所の生徒12人だった。
アリュード「でも…ユリスとリズは、うまく描けなかったんだ」
少し不満げに、アリュードは言う。確かに、他の皆を基準に比べると、ユリスとリズだけはやや似ていなかった。
アルム「…どうして?」
アリュード「あの2人とはあまり話す機会がなくって。だからきちんと顔を見れてないんだ」
ルーナ「そうなんだ…」
アルム「でも、確かにあの2人っていつも静かで元気ないように見えるよね。何があったのかな?」
アリュード「さあ…。あっ、そろそろ訓練の時間だね。僕はもう行くね」
アリュードはいそいそとスケッチブックをしまい、荷物を置きに自室に戻っていった。そして2人も訓練に向かった…のだが、そこでアルムはセレイスに、びっくりすることを告げられた。
セレイス「アルム、君は剣の腕を磨いた方がいいと思うんだ」
アルム「…はい」
セレイス「だから…剣術学の訓練に戻ったらどうだい?君が覚えられる呪文は全部、もうマスターしてるからね。これ以上ここにいるよりは、まだまだ強くなる剣を練習した方がいいよ」
セレイスは客観的に判断しても、アルムが剣術学に戻るべきだと少し前から思っていたらしい。アルム自身、さらに剣に磨きをかけたかった。両者の意見は一致し、アルムはすんなり剣術学に戻ることが決まった。