Chapter 9-7
エド「で、そのままおれに懐いちゃってさ。おれも、初めてできた友達だから、本当嬉しかったんだ。でも、それだけじゃないんだ」
アルム「それだけじゃないって…」
エド「ああ見えて、スラリンすごい強いんだ。おれが毒蛇に襲われそうになったとき、頭突き一発で蛇をノックアウトしちゃったんだ」
アルム「ええっ!?それすごいじゃん!」
そう言いながら、「スラリンと喧嘩しないようにしよう」とこっそり思うアルム。
エド「だから…おれはスラリンがいなくちゃダメなんだ!あいつがいなくなったら…おれ、楽しくないよ…」
アルム「そう…だよね。エド、絶対スラリンを見つけよう!」
エド「…!うん!」
ちょうどここで、ルージャとノイルが戻ってきたので、アルムも自室に戻ることにした。
アルム「じゃあ、明日のお昼過ぎにまた」
そうエドに耳打ちして、アルムは部屋を出て行った。そしてこの後自室に戻ってから、アルムはエドたちの部屋の散らかり方が尋常ではなかったことに気付くのだった。
◇◇◇
翌日、アルムは初めて魔術学の訓練を受けに向かった。ルーナが少し驚いていたのは当然である。
セレイス「5人になったね。僕も嬉しいよ。じゃあ、初めのうちはアルムにはメラやギラから練習してもらうね。大丈夫さ、君ならすぐにみんなに追いつけるよ、きっと」
その言葉を信じて、アルムは懸命に訓練に打ち込んだ。その結果―――。
アルム「でっ…できたぁ!!」
いくら自分でやっても出来なかったメラが、見事にアルムの手から放たれた。
セレイス「すごいねアルム!どう、もう1回できる?」
コツさえ覚えてしまえば、後は簡単だった。その後、アルムは何度もメラを成功させたが、セレイスが見ていたのは別のことだった。
セレイス「(アルムは意外と呪文にも向いてるかもね…魔力は問題ないみたいだし…あとは本人の努力かな…)」
結局、この訓練中でアルムはメラを20発以上放ったが、まだまだ余裕といった表情だった。
◇◇◇
ルーナ「頑張ってよ、アルム!あたし応援してるから!」
アルム「うん、ありがとうルーナ。みんなに追いつけるように一生懸命頑張るよ」
ルーナ「うん♪」
この後、ルーナが言った言葉に、アルムは驚く。