Chapter 8-9
そこから時間は遡り、人々がまだ眠りにつく前。セリスたちは、アルムが帰って来ないことを心配していた。
セリス「あいつ…夕食の後から見てねーよな…トイレにでも駆け込んだかと思ってたんだけど」
レイシア「気にすることないわ。どこにいるか知らないけれど、アルムならきっと無事に帰って来るわよ」
ルーナ「そうそう。朝起きたら、横で寝てたりしてね」
3人は笑いあって、灯りを消した。
また、アリュードと部屋が同じロエンたち、そしてエドと同部屋のルージャたちも、やはり心配していた。でも、明日になったら帰ってくる―――誰もがそう信じて疑わず、彼らは皆眠りについた。
◇◇◇
アーロン「それは本当か…?」
シェルト「ええ、間違いないですよ。ドラゴンの角ですね」
メリー「どうする…?もし誰かがドラゴンの角に向かってたら、敵との戦いは避けられないわよ…」
屋敷の一番上の部屋、生徒たちが立ち入りを禁じられている階段の向こうの一部屋で、彼らは会議をしていた。モンスターの動きに異変が起こっているのを察知し、調べた結果そう分かったのだが、この時アルムたちが既にそこに向かっているという情報はまだ入っていなかった。
ゼクトル「俺たちが行ったら済むんだったら…」
セレイス「行こうか?多分2人で足りると思うけど…」
しばらく考え、アーロンは結論を出した。
アーロン「…いや、私たちは手を出さないでおこう。これはあいつらの問題だからな、首を突っ込み過ぎるのはよくない。もし危機的状況に陥れば、その時動けば間に合うだろう」
この結論に4人も納得し、彼らはしばらく様子を見ることにした。ドラゴンの角に向かった者がいるということに気づくのは、明日になってからなのだが―――。