Chapter 8-4
夜になると、町に出かけていた者も戻って来た。その時驚いたのが、タアがセリスたちに混ざって戻ってきたこと、そして彼の服に血がついていたことだ。

アルム「タア、どうしたのそれ…?」
タア「ん?ああ、ちょっとな」

タアはそれ以上、何も話さなかった。


アルム以外の全員が全員町に行ったわけではなかったので、13人が揃うのは夕食の席になるだろう、とアルムは推測した。だが、この予想は見事に外れることになる。

アルム「ねえ、エドはどうしたの?」
ルージャ「さあ…ボクも探したんだけど、いないんだ」
ノイル「うん…どこ行っちゃったんだろ…大丈夫かな…」

―――この席にいなかったのはエドだった。ルージャとノイルに聞いてみても、エドの居場所は分からないと言う。その時アルムは、昼間エドが言っていたことを思い出した。


エド『スラリンが逃げちゃってさ…おれ探してるんだ』


アルム「ひょっとして…」

アルムはそう呟くと、急いで食事を掻っ込み、慌てたように広間を出て行った。

ロエン「アルム…?」
アンナ「何か…急いでたね」

◇◇◇

アルムは屋敷中を探し回ったが、エドを見つけられずにいた。そんな中、アルムは上に延びる階段の前にやって来た。この階段の先は立ち入り禁止となっていた。しかし、アルムは入らずにはいられなかった。禁止されていることなどお構い無しに、アルムが階段の1段目に足をかけた時―――

???「その先に、エドはいないよ」

後ろから聞こえた声に振り向くアルム。するとそこには、アリュードが立っていた。

アルム「アリュード…何で分かるの…?」
アリュード「そっち、先生たちが探してたから。見つからないってことは、多分屋敷の外にいると思うよ」

話を聞くと、どうやらアリュードもスラリンが逃げ出したことをエドから聞いたらしい。確かにスラリンが逃げたのも気にかかるが、エドが見つからないほうが心配だ。アルムはエドを見つけるべく、アリュードと2人で屋敷の外に飛び出していった。
「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -